2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24320116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
岸本 美緒 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (80126135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 秀行 お茶の水女子大学, 名誉教授 (10011347)
小風 秀雅 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (90126053)
三浦 徹 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (00199952)
古瀬 奈津子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (20164551)
新井 由紀夫 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (30193056)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 比較史 / 身分 / ジェンダー / エスニシティ |
Research Abstract |
2012年度は、研究代表者及び各研究分担者が、それぞれの研究部会において個別の研究を進めるほか、3回の全体研究会を開催した。 第一回の全体研究会(2012年6月6日)は、部会ごとの研究方向、及び全体のスケジュールについて、打ち合わせを行った。当面の重点的テーマとして、(1)古代~近世における書札礼(手紙の書式)について日本史・アジア史・西洋史を通じて比較研究を行うこと、及び(2)近現代を中心として、ナショナリズムと身分感覚・エスニシティ認識の変容を比較史的に検討すること、といった諸点が確認された。第二回・第三回の全体研究会については、以下の通りである。 第二回(10月24日):報告岸本美緒「清末における『奴隷』論の構図」。上記の第二のテーマに関する報告。清末の言論界における対外的危機感に基づく愛国主義的論調のなかで、中国人の国民性を示すキーワードとして盛んに用いられた「奴隷」「奴隷根性」という語をとりあげ、伝統的な「奴隷」観との共通性及び変化について論じた。' 第三回(12月19日):報告古瀬奈津子「『明衡往来』にみる書札礼」。上記の第一のテーマに関する報告。藤原明衡の編纂した往来物(消息文例集)を取り上げ、貴族間の手紙のやりとりにおける書式及びそこに見出される身分感覚について論じた。 両回とも活発な討論が行われ、関連の成果は2012年度中に論文又は学会発表として公表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね予定通りに進展しているが、昨年度末に計画していた第四回の全体研究会が、悪天候(強風による帰宅指示)により、中止となった。これについては、平成25年度の前半に、複数の研究報告を含む小シンポジウムとして再組織し、開催する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度以降は、研究会及び小シンポジウムなどで研究成果の共有を図るとともに、それを個別の成果としてのみでなく、共同研究として発信してゆくことに重点を置く。研究計画の変更は特にない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2012年度には、主に旅費で、計画よりも支出が少なく、約50万円を次年度に繰り越すこととなった。校務等の関係で出張が行えなかった場合、及び先方負担の出張機会があって科研費からの支出が不要となった場合等が重なったものである。特に研究計画が大きく変更されたものではないので、次年度もほぼ同様の割合の支出計画とする。
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