2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24320116
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
岸本 美緒 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (80126135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 秀行 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 名誉教授 (10011347)
小風 秀雅 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (90126053)
三浦 徹 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (00199952)
西澤 奈津子 (古瀬 奈津子) お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (20164551)
新井 由紀夫 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (30193056)
安成 英樹 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (60239770)
神田 由築 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 准教授 (60320925)
篠原 琢 東京外国語大学, 総合国際学研究院, 教授 (20251564)
藤原 重雄 東京大学, 史料編纂所, 助教 (40313192)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 比較史 / 身分 / ジェンダー / エスニシティ |
Research Abstract |
2013年度は、研究代表者及び各分担者が、それぞれの研究部会において個別の研究を進めるほか、1回の小シンポジウム、2回の全体研究会、及び1回の見学会を行った。 小シンポジウム「国家・民族・身分感覚――近現代中欧を中心に」(2013年6月29日)では、山本秀行「ナチズムに見る「ドイツ東方」の二重性――ドイツ民族リストから見えてくるものーー」及び篠原琢「文明の階梯と歴史の再編成――ベーメンドイツ人歴史協会の思想と活動」の2報告が行われ、エスニシティと上下感覚の関係をめぐり、他地域との比較の観点から活発な討論が行われた。 10月30日の研究会では、新井由紀夫「中世イギリスのジェントリ家政家計簿から読む「社会的上下感覚」」及び小風秀雅「明治22年の東京の政治空間」の2報告が行われた。前者は、家計簿に記載された食糧から当時の上下感覚を分析するもの。後者は明治憲法制定に関する儀式を中心に、東京の政治空間と社会的上下感覚との関係を論じた報告であった。12月18日の研究会では、巽昌子(お茶の水女子大学大学院博士課程)による報告「書状の署名にみる僧侶の「上下感覚」――興福寺大乗院を中心に――」をめぐって討論を行った。2012年度の古代史の報告と直接に関わる内容で、活発な議論が行われた。 11月23日には、国立歴史民俗博物館で開催されていた「中世の古文書――機能と形――」特別展の見学会を行い、安田次郎・藤原重雄両氏の解説により、古文書の現物に即して、日本中世の身分感覚に関する理解を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2012年度の最初の全体会で、重点的テーマとして、(1)古代~近世における書札礼(手紙の書式)について、日本史・アジア史・西洋史を通じて比較研究を行う、(2)近現代を中心として、ナショナリズムと身分感覚・エスニシティ認識の変容を比較史的に検討する、の二つの課題を設定したが、それぞれについて、順調に共同研究が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、上記の2テーマを中心として、比較史的研究を進め、共著論文へと結実させることをめざす。また、3回~4回の研究会・シンポジウムを開催し、個別の研究課題について報告するとともに、比較史的に意義のある論点の深化を図る。当初の研究課題のうち、今まであまり研究報告のなかで扱われなかったジェンダーと社会的上下感覚の問題についても、重点を置いて検討したい。 以上と並行して、各自の個別テーマについて研究を進め、論文として発表するほか、国内・国外の学会で比較史の方法的視座を明確化した報告を行うべく努力する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度は、主に旅費で、計画よりも支出が少なく、約12万円を次年度に繰り越すことになった。校務の都合などで出張が行えなかった場合が重なったものである。そのほか、人件費及びその他費用について節約に努めた結果、当初請求額より支出が少なくなったことも一因である。 特に研究計画の変更を伴うものではないので、2014年度についても、使用計画の大きな変更は考えていない。
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Research Products
(10 results)