2013 Fiscal Year Annual Research Report
離島地域におけるブロードバンド整備の地域的影響に関する総合的研究
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24320166
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒井 良雄 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (50134408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 昭利 下関市立大学, 経済学部, 教授 (90106013)
箸本 健二 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10269607)
助重 雄久 富山国際大学, 現代社会学部, 准教授 (40235916)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 離島 / インターネット / 地域計画・地域政策 / 特産品 / 観光 / 隠岐 / 小笠原 / 宮古島 |
Research Abstract |
(1) サブテーマ「離島社会とインターネット」では,小笠原諸島において,小笠原村全一般世帯を対象として,郵送によるインターネットの利用実態に関するアンケート調査を実施した.結果として,ネット通販の利用が目立ち,買回品に限らず,衣類や雑貨,酒類など日常的な買物にもネット通販が利用されるという実態が判明した.隠岐諸島においては,中之島の海士町で,町役場,観光協会等に対するヒアリング調査を行い,さらに住民に対して隠岐での生活実態に関するグループインタビューを行った.さらに,その結果を踏まえて,海士町全一般世帯を対象にインターネットの利用実態に関するアンケート調査を郵送により実施した.回収された調査票は,現在,入力・集計中である. (2) サブテーマ「インターネットを利用した特産品流通」では,移出産業に与える影響や効果について検討するために,小笠原・父島および隠岐・海士町において,島内の商工業者や役場,取引先の主体などに対する調査を実施した.その結果,離島の移出産業に与えるブロードバンドの整備効果は,電子商取引など実需者との直接取引の拡大にとどまらず,たとえば,海士町における生鮮魚介類の特殊冷凍事業にみられるように,高規格でのデジタル情報交換を存立基盤とする高度な商流,物流システムの導入に表れていることが判明した. (3) サブテーマ「観光におけるインターネット活用」では,世界遺産登録以降に観光地化が進んだ屋久島において,観光客の宿泊予約や観光情報の収集に関するアンケート調査を実施した.また,宿泊施設を対象としたヒアリング調査を実施した.その結果,日本人観光客の大部分は通信料定額制の携帯端末でWebサイトを閲覧しており,ブロードバンドで閲覧する機会は減っているが,屋久島では外国人観光客が島内観光サイト等の閲覧に無線LAN等を活用する機会が多いことなどが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画では,昨年度選定した事例調査地域において,現地調査により当該地域でのブロードバンド整備の状況と住民生活・産業への影響の実態調査を実施することを予定していたが,隠岐・小笠原・宮古島等の各地域について,行政・事業者および住民に対するヒアリング調査,および,住民・観光客に対するアンケート調査を概ね予定通り遂行しすることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
調査地域の自治体・地域団体等の協力を得て,すでに現地調査の実施体制は確立しており,商工業者へのヒアリング調査,観光客へのヒアリング調査等の現地調査を続行し,平行して最終的な取りまとめを進める予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
離島地域を対象とする調査であり,渡航可能時期が限られるため,商工・観光事業者等へのヒアリング調査の一部を翌年度とした. 調査準備は完了しているため,来年度はそれらを含めて予定の現地調査全体を実施し,全額を使用する予定である.
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Research Products
(8 results)