2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヨーロッパ旧社会主義国の人権に対するヨーロッパ人権裁判所のインパクトに関する研究
Project/Area Number |
24330004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 一般 |
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
伊藤 知義 中央大学, 法務研究科, 教授 (00151522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 優 北星学園大学, 経済学部, 教授 (00196396)
阿曽 正浩 北見工業大学, 工学部, 准教授 (00221721)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 欧州人権裁判所 / 旧社会主義国 / カトリック文化圏 / 正教文化圏 / イスラム文化圏 / 近代法経験 |
Research Abstract |
平成24年8月28日~29日に、第1回目の研究会を北星学園大学で開催した。研究代表者、分担者から、まず、本研究の計画概要、役割分担等について確認をした。さらに、ヨーロッパ人権裁判所の概要についての講義を受け、旧社会主義圏にとどまらない、人権裁判所の機能と役割について理解を深めた。引き続き、実際に人権裁判所で働いている専門家から、"Central and European Countries and Execution of Judgments of European Court of Human Rights"というタイトルの報告を聴いて、ストラスブールでの審理の実態の一端を垣間見た。最後に、各担当者に今後4年間の具体的計画案について話をしてもらった。 平成25年3月9日~10日に、第2回目の研究会を中央大学で開催した。Keller,Hellen&Alec Stone Sweet(eds.),"A Europe of Rights:The Impact of the ECHR on National Legal Systems"Oxford,Oxford UP,2008の総論と各国報告部分を分担して、4人の研究代表者、分担者、協力者が報告した。報告された部分は、総論、ロシア、ポーランド・スロバキア、トルコ・ギリシャである。カトリック文化圏であるポーランドにおいても、正教文化圏のロシア・ギリシャ、イスラム文化圏のトルコと共通の問題があることが指摘された。平成25年度の国外調査についても、行き先、行く時期に関して意見を交換した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、それぞれの研究対象国(ロシア、ポーランド、セルビアおよびクロアチア)を担当する者がそれぞれの研究対象にかかわる論点を整理することを目標にしていた。対象国と欧州人権裁判所との関係の概略については、一定の理解を得られたものと考える。近代法経験の有無がそれぞれの国の対応に何らかの相違をもたらしているか、については、まだ検討の最初の段階であるが、思ったほどの相違はないかもしれないという議論がされた。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書に記載した計画に沿って、各国を訪れて先方の専門家と意見を交換する。当初は想定していなかったが、ストラスブールの欧州人権裁判所にも行って、旧社会主義国に関連する仕事をしている担当者にもインタビューをする可能性について検討中である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度3月に行った研究会の費用が翌年である平成25年度の使用枠から支出されることとなった。その分プラスアルファが本年度の残額となった。これと平成25年度分とで国内研究会、海外出張の旅費を支出する。
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Research Products
(2 results)