2012 Fiscal Year Annual Research Report
医療費抑制圧力下における診療報酬の適正配分のあり方に関する基礎的研究
Project/Area Number |
24330014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 智章 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90177460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 秀樹 大正大学, 人間学部, 教授 (70303576)
石畝 剛士 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (60400470)
西田 和弘 岡山大学, 大学院・法務研究科, 教授 (70284859)
石田 道彦 金沢大学, 法学系, 教授 (10295016)
稲森 公嘉 京都大学, 大学院・法学研究科, 准教授 (20346042)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 診療報酬 / 社会保険方式 / NHS方式 / 給付範囲 / 定額払い / 出来高払い / 医療体制 |
Research Abstract |
1本課題採択の決定を受けて、まず、研究体制の確認、研究計画の方針および各自の研究到達度に関する第1回研究会を北大で行った(8月20日)。次に、本研究課題の前提となる『世界の医療保障』(法律文化社、2013年刊行予定)の進捗状況の確認を兼ねて、各国の診療報酬に関する検討及び情報収集のための研究会を東京で行った(10月14日)。その後、「世界の医療保障・診療報酬」というDropboxを開設して、日常的なネット上での情報交換を可能とする体制を整備した。 2昨年末には、京都において、わが国の医療保障研究の第一人者である政策科学研究大学院教授島崎謙治氏を招聘して、「日本の診療報酬制度と国際比較を行う場合の視点」というテーマのもとで、研究会を開催した(12月9日)。この研究会では、NHS方式も含めて、診療報酬をファイナンスとデリバリーとを結びつけるいわば潤滑油として捉え、デリバリーとの関係性を常に意識すべきこと、しかしその一方で議論の範囲を絞り込む必要があることなどを再確認した。また、日本社会保障法学会2014年秋季大会において、本研究課題の成果発表を兼ねて、シンポジウム報告を担当することになった旨の報告がなされた。このため、国際シンポジウムとの調整が必要となることを了解した。 3次に年度末の3月26日(於:北九州)には、"ミスターDPC"ともいわれる産業医科大学松田晋哉教授から「DPCについて」を題するテーマで、わが国ばかりでなく世界各国の包括払い方式に関する特徴や問題点について情報交換を行った。ここでは、"医療が提供されるところ診療報酬ありき"であることから、診療報酬体系の適用状況の違いが、比較法研究における視点になり得るとされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検討対象国への派遣は実現できなかったものの、診療報酬体系の分析と論点の整理、各国診療報酬制度に関する情報収集、分析軸と検討仮説の提示とその共有化に向けて、定期的な研究会を順調に消化し、専門家の招聘により先端的な知識の共有化も実現することができた。また、研究分担者等との意見交換や情報提供も活発に行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に得られた結果を基にして、具体的な現地調査に着手すると同時に、各国の医療供給体制の概要を再確認し、検討仮説を修正する必要があるか否か等の見直しを行う。具体的な論点整理や現地調査にむけて、各班ごとの個別研究会も必要に応じて開催する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
各国の診療報酬制度に関する情報収集に務める一方、分析軸の細目化に重点を置いたため、現地調査を翌年度に延期したために、基金部分に一定の残額が発生した。この残額については、平成25年度中に執行する。
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Research Products
(19 results)