2016 Fiscal Year Annual Research Report
司法のジェンダー公平性の確信のための裁判官に対する制度的支援の比較研究
Project/Area Number |
24330033
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
南野 佳代 京都女子大学, 法学部, 教授 (60329935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手嶋 昭子 京都女子大学, 法学部, 准教授 (30202188)
澤 敬子 京都女子大学, 現代社会学部, 准教授 (60340444)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 法とジェンダー / 司法教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の全体構想は、司法のジェンダー公平性に対する国民の信頼の基礎は、ジェンダーにかかわる社会的事実の理解と、ジェンダー公平は司法が追求すべき価値理念であるとの、裁判官の確信を伴う裁判であることを検証することである。特に、本研究は、法曹継続教育のうち、対象を裁判官への教育(司法教育)に絞った研究である。 上記の目的を達成するため、平成28年度においては、以下のような研究計画を立てていた。前半において、前年度に報告を申請していた国際学会において研究成果の一部を報告する準備を中心として共同研究を行う。後半において、研究成果の一部を国際法社会学会の国際研究グループによる出版物に投稿すること、また、2017年6月メキシコシティにて開催のアメリカ法と社会学会、国際法社会学会の共催学術大会にて報告する準備を行う。また、大陸法国において裁判官教育実践を調査する。 これら研究計画のうち、前半は、ドイツにて開催された国際共同研究会において、成果の一部を報告した。また、同研究会が編集する出版物への投稿を承認された。この研究会において、研究対象とすべき制度につき、極めて有益な示唆を得たため、大陸法国調査の内容を見直すこととなった。オーストリアにおいて開催された国際社会学会に参加し、司法をとりまく各国の状況について知見を得た。後半は、2017年メキシコシティにて開催予定の国際学会での報告を申請し、採択された。 さらに、交付申請時には予定されていなかったが、韓国女性政策院からの共同研究の申し入れを受け、本科研の研究成果の一部として、韓国女性政策研究院、国会「女性家族委員会」委員長、京都女子大学、共催による国際共同研究シンポジウム「ストーカー被害実態及び法的対応」を、8月25日(木)韓国国会議員会館にて開催した。 大陸法国における司法教育の実地調査については、実施時期を遅らせて検討することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度交付申請時の研究計画に予定していた、大陸法国における司法教育実践の調査について、上述の理由により、実施時期を延期して内容を見直すこととした。したがって、研究内容としては進展したといえるが、研究期間を延長することとなったため、若干の遅れが生じていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
大陸法国における司法教育実践の調査については、2017年度に実施するほか、隔年開催の国際司法教育機関の研究大会(各国司法研修所、最高裁判所がメンバーである)においても、補充的調査を実施することとしたい。 これらの調査をとりまとめ、最終的な成果を、国際学会での報告あるいはセッション開催、および出版物として公表する予定である。
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Causes of Carryover |
2016年5月に報告を行ったドイツにおける国際研究会において、当該年度に予定していた調査にかかわる極めて有益な示唆を得たため、調査の内容等について見直しをすべきと判断したことから、実施時期を延期した。また、隔年開催の国際司法教育機関の国際研究大会が2017年10月に開催されることから、各国司法研修所、最高裁判所等の裁判官が会する機会を捉え、これまでの調査に積み重ねる形で補充的な聞き取り等を実施することとした。また、2017年に開催される国際学会における報告申請が採択されたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の調査、国際司法教育機関への参加と補充的ききとり、および国際学会における報告を共同研究者とともに行う費用として使用する予定である。
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