2013 Fiscal Year Annual Research Report
戦間期ヨーロッパにおける国家形成と地域統合に関する比較研究
Project/Area Number |
24330055
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
大島 美穂 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (20203771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
網谷 龍介 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (40251433)
菅原 淳子 二松學舍大學, 国際政治経済学部, 教授 (40196697)
浜 由樹子 津田塾大学, 国際関係学研究所, 研究員 (10398729)
山中 仁美 名古屋商科大学, 経済学部, 准教授 (30510028)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 戦間期 / ヨーロッパ / イギリス / 北欧 / バルカン / 国際関係 / アイルランド / 西洋史 |
Research Abstract |
平成25年度は、全体レベルでは、研究会を3回開催した。 第4回研究会(2013年7月21日開催)では、中田瑞穂氏(明治学院大学)「1930年代、40年代チェコスロヴァキアにおける民主主義概念―『農民と労働者の民主主義 戦間期チェコスロヴァキア政治史』(名古屋大学出版会、2012年)より―」、板橋拓己氏(成蹊大学)「戦間期のドイツ語圏における「西洋(Abendland)」イデオロギーとその遺産」の講演を行い、戦間期における中東欧地域を中心とした思想潮流について意見交換を行った。 第5回研究会(2013年8月23日開催)では、本研究の研究協力者である百瀬宏が「日本の国際政治学を考える―研究教育者としての回顧の中から―」という報告を行い、本研究の理論的枠組みについて関係者の間で議論を行った。 第6回研究会(2014年1月26日開催)では、山崎信一氏(東京大学教養学部、東京外国語大学非常勤講師)「戦間期ユーゴスラヴィアにおける国民意識」の講演を行い、バルカン地域における国民意識の形成と変容について議論を交わした。なお、上記の各研究会では講演後に研究代表者、研究分担者、協力者各自の研究進捗状況についての報告がなされ、今後の研究方針についても議論がなされた。 個人レベルでは昨年に引き続き、海外調査を行った(大島美穂:ノルウェーのオスロ大学、国立図書館、山田朋美:アイルランドのナショナル・ライブラリー、イギリスのナショナル・アーカイブ等)。また、4月にはInternational Studies Association 2013 Annual Conventionにおいて山中仁美が“British IR Debate in Wartime Japan”を、11月には浜由樹子がASEEES 45th Annual Conventionにおいて“An Ideological Crossroads: Pan-isms in Russia and Japan during the Interwar Period”を報告し、本研究の成果を国際学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
個人レベルでの研究は順調に進んでいるものの、校務や体調不良といった個々の事情が重なったため、全体で集まる機会が多かったとはいえない。しかしながら、メールでの審議などを通して、全体レベルでの議論は着実に共有化されている。研究総括にあたる平成26年度に開催予定の津田塾大学オープンスクールでの市民講座、国内学会でのパネル発表、海外からの研究者招聘の準備は順調に進んでおり、全体を通して本研究の目的の達成度に関して問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究総括にあたる平成26年度は、下記の計画を進める。 (1)研究成果を社会に還元するために、5月23日から6月27日の各金曜日に津田塾大学オープンスクールにて、国際教養講座「歴史に見るヨーロッパの光と影ーヨーロッパ周辺国における国家意識と地域形成ー」(全6回)をオムニバス形式で開催する。第一回 大島美穂「はじめに―歴史に見るヨーロッパの光と影:ナショナリズム、リージョナリズム、インターナショナリズム―」、第二回 網谷龍介「ドイツと中欧構想」、第三回 柴宜弘「大セルビア主義とユーゴスラヴィア」、第四回 菅原淳子「『サンステファノのブルガリア』とマケドニア問題」、第五回 石野裕子、百瀬宏「大フィンランド主義と文化」、第六回 浜由樹子、山田朋美「ヨーロッパとアジアを繋ぐもの」 (2)一般財団法人日本国際政治学会2014年研究大会欧州国際政治史・欧州研究分科会にて、大島美穂、石野裕子がパネル「戦間期ヨーロッパにおける『地域統合』とナショナリズム―北欧の周辺から―」を報告予定である。 (3)フィンランドからDr. Oula Silvennoinenを招聘し、戦間期フィンランドにおける地域統合と思想について講演してもらう予定である。 (4)前年度に引き続き、全体レベルでの研究会を開催し、研究総括に向けた議論を行う。 (5)前年度に引き続き、個人レベルでは、海外調査を行い、さらなる研究の深化を目指すとともに、研究成果を発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初研究協力者の柴宜弘氏がセルビア・モンテネグロに研究調査に行く予定で、本研究計画の予算をつけていたが、同氏が国連大学並びに本部校の研究費によって調査旅費・滞在費を賄うこととなったため、本研究プロジェクトからの支払いが不必要となった。 研究協力者柴宜弘氏の調査研究は、本研究プロジェクトの予算から執行せずに昨年度履行され、終了している。そのため、本年度はここでの繰越金を他地域の調査研究(具体的にはフィンランド、アイルランド)にあて、さらなる研究の深化を目指す。
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Research Products
(8 results)