2013 Fiscal Year Annual Research Report
学際的アプローチによる医療・介護サービスの利用・機能に関する制度横断的分析
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24330097
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Research Institution | National Institute of Population and Social Security Research |
Principal Investigator |
泉田 信行 国立社会保障・人口問題研究所, 社会保障応用分析研究部, 第1室長 (70360716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 晴子 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (90329318)
山田 篤裕 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (10348857)
菊池 潤 国立社会保障・人口問題研究所, 社会保障応用分析研究部, 第4室長 (30506481)
黒田 有志弥 国立社会保障・人口問題研究所, 社会保障応用分析研究部, 研究員 (70582724)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 医療 / 介護 / 学際的アプローチ |
Research Abstract |
昨年度は一昨年度に引き続き、レセプトデータの収集と自治体における調査の実施を行ってきた。レセプトデータの収集については現状の2自治体の他、1カ所の新規の協力自治体を獲得した。これらのレセプトデータを用いて、分析が進められ、国民健康保険制度において保険料を未納する個人の医療サービス利用の実態についての論文を刊行することができた。 ある自治体において一昨年度から行われている高齢者に対するアンケートについては、前回回答者に調査票を送付した。回答率が9割近くという高い回答率が得られた。このデータを用いて、高齢者が集まって行う会食の健康に対する効果についての分析を行っている。既に今年度の報告が確定している。 また、同じ地域においてアンケート調査に先行して高齢者に対するインタビュー調査行われていた。そのデータを質的に分析することにより、3件の学会報告が行われた。これらの報告内容については一部学術誌に投稿中およびその準備を行っている段階である。 公的統計を用いた分析も進められている。 昨年度は8件の学会報告と1件の論文刊行が行われた。また、適宜外部研究者を招へいし、最新の研究知見を報告していただく研究班会議を開催することができた。今年度は個人単位での学会報告を進めるだけではなく、本研究班の研究テーマにかかわるセッションを企画・実施するなどにより、より幅広い研究者の層に成果を普及していきたい。一般への成果の普及についても、まずは自治体から提供いただいたデータについての分析結果を当該自治体へフィードバックすることなどをはじめとして鋭意進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、医療・介護サービスの利用状況と、それらのサービスが果たしている人の健康・障害からの解放という機能のうち、(1)貧困と健康・障害の関係、(2)医療・介護サービス利用の相互関係、(3)個人の長期的な医療サービス利用行動、(4)サービスの未利用者の真のニーズの実態解明、という国際的にも関心が高いと考えられる側面について、より豊かな情報を持つ制度横断的な統計データを整備した上で、学際的な研究者チームを組織して、高度に統計的(実証的)に分析することにより、これまで明らかにされていなかった新規の知見を得ることを目的とするものである。 上記の目的に対して、当初計画されたとおり、昨年度は一昨年度に引き続き、レセプトデータの収集と解析、自治体における調査の実施とデータ解析を行ってきた。レセプトデータの収集については新規の協力自治体を獲得できた。これらのデータの分析を進めた結果、8件の学会報告(その他2件は平成26年度に報告予定)と1件の論文刊行により目的の一部が達成されたと考えている。昨年度の成果については現在投稿中のものもあるが、最終年度である平成26年度にさらに多くの成果を論文として刊行することに取り組んでいきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終年度であり、利用が可能となったデータの分析をさらに進め、成果を学術論文刊行の形で進めていきたい。それのみならず、学会での報告も当然重要であり、既に今年度の報告が2件確定する状態となっている。個人単位での学会報告を進めるだけではなく、本研究班の研究テーマにかかわるセッションを企画するなどにより、より幅広い研究者の層に成果を普及していきたい。 一般への成果の普及については、まずは自治体から提供いただいたデータについての分析結果をフィードバックする作業をこれまでの2年間と同様に進めたい。その上で、わかりやすい形での成果普及方法について研究班内で検討した上で実施していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究経費については計画的かつ効率的な執行を行っているところであり、今回4,585円の残額が発生したのは、経費の節約に努めた結果であると考えている。 今年度は最終年度として、前年並み、ないしはより多くの学会報告が見込まれており、経費の節約を行ったとしても一定の自己負担額が生じることが予想されている。それゆえ、残額相当額を含めて研究費は11月までに全て使用されると考えている。
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Research Products
(12 results)