2012 Fiscal Year Annual Research Report
1970年代における国際通貨・金融システムとOECD
Project/Area Number |
24330111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
矢後 和彦 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (30242134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 良夫 成城大学, 経済学部, 教授 (40101620)
伊藤 正直 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70107499)
西川 輝 横浜国立大学, 経済学部, 准教授 (30622633)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | OECD / 資本自由化 / マクロ経済政策 / 中央銀行政策 / IMF / G10 / 国際通貨システム / 基軸通貨 |
Research Abstract |
本研究は1970年代の経済協力開発機構(OECD)における政策協議を分析することをつうじて、当該期の国際通貨・金融システムの再編過程を検証することを目的とする。この研究目的に沿って、平成24年度には資料収集と萌芽的な論点の提示に着手した。 具体的には、(1)OECDおよびG10の1960年代から70年代にかけての議事録資料、(2)関連諸国(日本、イギリス、フランス)における財政当局・中央銀行等の政策決定過程を解明する資料、(3)当該期の各国資本市場・金融市場の動向を分析する資料、等を収集・整理した。(1)のOECDについては研究代表者・矢後がOECD本部文書室に出張して、閣僚理事会、経済政策委員会、第一~第四部会、またエステヴァ委員会やオッソラ・グループと呼ばれた高官の非公式会合の議事録資料を収集した。(2)の財政当局・中央銀行については、研究代表者・分担者の全員で日本銀行金融研究所の所蔵資料(このたび公開されたG10会議参加記録等)を収集・検討した。また研究分担者・浅井がアメリカの直接投資政策についてアメリカ公文書館(NARA)において一次史料を蒐集した。(3)の当該期の各国資本市場・金融市場の動向については、研究分担者・伊藤が中心となり金融危機の背景をなした市場動向を整理・展望した。 これらの資料収集・整理をふまえて12月には隣接領域の専門家を複数招聘して合宿研究会を組織した。 研究会ではG10加盟諸国の国内マクロ経済政策とOECDの政策提言との関係が歴史具体的に解明され、国際比較の視点が提示された。 また研究代表者・矢後および研究分担者・西川は本研究課題に係る成果の中間的報告を行うため平成24年(2012年)7月に国際経済史会議(南アフリカ・ステレンボッシュ)に出席し、報告をおこなった。 西川はこのセッションの準備研究会(イタリア・フィレンツェ)にも出席して研究発表と研究連絡を行い、次年度以降に展開する国際プロジェクトに向けた研究交流を開始した。.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料収集、中間的な成果発表、および国際学会報告が予定通り進展しており、今後の課題も明確になってきたため。とりわけ合宿研究会を通じて国際比較の視点が明確になったことで、今後の研究の進展が促進されることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究期間の第二年度にあたる平成25年(2013年)度には資料の分析と中間的な総括を行い、平成26年(2014年)度には資料分析と成果とりまとめの準備に着手する。平成27年(2015年)度には成果のとりまとめと内外への発信を行い、研究を総括する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
資料収集に前倒しで注力したため、当初想定した人件費・謝金費目にかかる作業(資料コピー、英文校閲等)がほぼ使われなかった。そのため一定額が次年度に繰り越された。これらの費目は次年度以降の成果とりまとめに活用する。
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Research Products
(10 results)