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2013 Fiscal Year Annual Research Report

エコノミック・ガーデニングの手法を用いた地域力向上のための実証的研究

Research Project

Project/Area Number 24330128
Research InstitutionMeiji University

Principal Investigator

竹村 正明  明治大学, 商学部, 教授 (30252381)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 神田 良  明治学院大学, 経済学部, 教授 (90153030)
山本 尚史  拓殖大学, 政経学部, 教授 (80381341)
山本 奈央  名古屋市立大学, 経済学研究科(研究院), 講師 (70551662)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2016-03-31
Keywords中小企業振興 / エコノミック・ガーデニング / マーケティング
Research Abstract

本年度は以下の3つの作業を行った。第1に、地域間格差の規定因に関する基礎的な事実の検討である。現在地方自治体間には、さまざまな指標において、巨大な格差が存在することがある。もっともスタンダードな指標で言えば、税収であるが、一人あたりの税収で、47都道府県間で非常に大きな差が存在している。東京都は標準的な自治体の倍の税収を得ている。その差の原因は法人税である。法人税の多寡が税収の差に影響するのである。
しかし、法人と言っても法人税を地方自治体が運営可能なほど支払うことができるのは、大企業に限定されるからである。中小企業は日本全国に存在しているが、法人税を支払うほど利益を上げている企業は多くない。地域間格差を解消するために効果的な方法は、ここから、中小企業の業績を改善させることだと理解できる。
第2の作業として、地域活性化の理論モデルの検討を行った。地域活性化の理論モデルとしてわれわれが採用するのは、レジリアンス・モデルである。レジリアンスは回復力とも訳され、外的な衝撃を得た後に現状へ復帰する可能性と定義される。われわれの想定するモデルは、それに対して、ある種の閾値モデルになっており、ある一定のショックを与えられると、急激に回復レベルを低下させるのである。それは、現在地方に多く観察される限界集落を説明する。限界集落では、その生存を維持させるだけの事業機会(雇用や、自治体を維持するための税収など)が保存されたとしても、成長に結びつくことはない。成長には生命維持レベルとは異なる、再生産構造が必要なのである。限界集落は、生命維持は可能であるが、成長の余剰を生み出すことができないのである。
第3に、エコノミック・ガーデニングの実践の調査である。すでに先行するサーベイで、日本ではまだそれを導入する自治体は限定的であるが、先駆的な取り組みを取材した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初計画したすべての作業を順調にこなしているからである。理論モデルは、当初、内生的成長論や複雑ネットワークモデル、社会的資本論を想定していたが、それらは検証可能な実証モデルにするには収集すべき変数が存在しないことが多い。われわれが本研究ですべきは、エコノミック・ガーデニングの実践についての事実確保であり、地域のつながりの程度そのものを測定することではないからである。そこで、モデルと一部修正し、その理論的意義について検討した結果、それが妥当であることが理解できたからである。

Strategy for Future Research Activity

本年度は、エコノミック・ガーデニング実践の実証研究を計画していた。すでに、大阪府に協力を得て、2000社をデータベースとする中小企業の調査を計画中である。研究分担者が、大阪府のエコノミック・ガーデニングの実践の座長をしているので、そこでたびたびケース研究が可能である。これ本研究を一段と促進させる可能性が高い。
われわれは、本サーベイに先行して、日本基礎自治体1700拠点以上のサーベイを2012年に実施した。残念ながら、そこで明らかになったのはそれら自治体の内、わずか0.1%しか、エコノミック・ガーデニングを認知していないことであった。これでは、自治体におけるエコノミック・ガーデニングの実践のサーベイ調査は無意味である。それは、そもそも実践している自治体が少ないので、パフォーマンスの高低などの比較研究ができないからである。サーベイの要点は、平均からの差が存在していることを発見し、それがなぜ存在するのかを理論的に明らかにすることだからである。サンプルが20社に満たないで、統計的に安定した成果はそもそも出せない(数学理論上は出ないとは言えないが、実践上は参考にされない可能性が高い)。
むしろ、エコノミック・ガーデニングの実践として、それを受ける中小企業の組織構造や経営戦略について調査を行うほうが、効果的であることを理解した。エコノミック・ガーデニングそのものは、中小企業があまり保有しないマーケティング技術の外部支援を意味しており、それがあるとどのような企業成長が可能になるか、を調査する。そして、実際、公的な支援がこれまでどれだけ成長につながったのかを推論する。

  • Research Products

    (6 results)

All 2013

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 長期存続企業経営の日米比較:アンケート調査から発見された共通性と相違性2013

    • Author(s)
      神田良
    • Journal Title

      研究所年報

      Volume: 30 Pages: 89-98

  • [Journal Article] 老舗経営と環境への対応2013

    • Author(s)
      神田良
    • Journal Title

      環境会議

      Volume: 2013年秋号 Pages: 94-99

  • [Journal Article] Are Relationships the Key to Corporate Longevity?2013

    • Author(s)
      Kanda, Makoto, Vicki Ten Hake, and Nicholas Meshkin
    • Journal Title

      International Journal of Social Sciences

      Volume: 2-2 Pages: 130-137

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Where the Lead Users are: The Distribution of User Innovation across the Industries in Japan2013

    • Author(s)
      Takemura, Masaaki
    • Organizer
      European International Business Conference
    • Place of Presentation
      Bremen, Germany
    • Year and Date
      20131213-20131215
  • [Presentation] Pros and Cons of Relationships-The case of account executive systems in the Japanese advertising industry2013

    • Author(s)
      Hara, Yoritoshi, and Masaaki Takemura
    • Organizer
      Industrial Marketing and Purchasing Conference
    • Place of Presentation
      Atlanta, USA
    • Year and Date
      20130831-20130902
  • [Presentation] The Institutional Foundations of Materialism in Japan: A Replicated Empirical Test2013

    • Author(s)
      Takemura, Masaaki
    • Organizer
      Macromarketing Conference
    • Place of Presentation
      Toronto, Canada
    • Year and Date
      20130618-20130620

URL: 

Published: 2015-05-28  

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