2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業のマネジメントコントロールに関する研究:経験的研究に基づく理論の構築
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24330141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
澤邉 紀生 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (80278481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上総 康行 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 客員教授 (20121494)
横田 絵里 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (20277700)
吉田 栄介 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (20330227)
梶原 武久 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (30292080)
坂口 順也 関西大学, 会計研究科, 教授 (10364689)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 管理会計 / マネジメント・コントロール / レバー・オブ・コントロール / コントロール・パッケージ / PDCA |
Research Abstract |
コントロールパッケージ・アプローチにたって日本的管理会計実践の特徴を明らかにしようとする本研究は、(1)基礎的概念枠組みの構築を中心とする理論的研究、(2)定性的研究に基づく理念型の構築、(3)定量的研究に基づく鳥瞰図的理解の獲得と理念型の統計的一般性の検証、の3つの具体的な課題を設定している。平成24年度においては、先行研究の検討を中心としながら、平行してフィールド調査を実施した。 (1)基礎的概念枠組みの構築を目指す理論的研究については、(1)古典的な先行研究の検討、(2)レバー・オブ・コントロールの枠組みを援用した研究の検討、(3)日本的マネジメントコントロールに関する研究の検討、を行った。その結果、レバー・オブ・コントロール研究との関連では、診断型コントロールと双方向型のコントロールの間の緊張関係が重視されるのに対して、日本的マネジメントコントロール研究においては、診断型コントロールにおいて自主的プラニングを重視し、PDCAの頻度を高め、組織内の重層的なPDCAのレイヤー間のコミュニケーション速度をあげることによって、結果的に双方向型のコントロールに似た効果を得ている可能性が確認された。 (2)定性的研究については、(1)組織的管理会計、(2)国際的展開、(3)中小企業管理会計、について先行研究の検討と、それと平行したフィールド調査を実施した。その結果、経営理念の浸透度とマネジメントコントロール改革のタイミングの重要性や、生産現場での物量タームでの管理と全社的な財務数値による管理との関係などについて貴重な知見を得られつつある。(3)定量的研究については、平成24年度は、基本的なフレームワークの検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画を遂行するためにサブグループを編成し、それぞれ研究についてマイルストーンを設定し、それを目標としてサブグループ毎に進めてもらうとともに、その成果を全体で共有するようにしたことで、おおむね、当初の予定通りの進捗となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度も昨年度と基本的には同様のサブグループ単位での研究進捗管理を基本とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度においては、平成24年度の成果を国際的に発表する機会が増えることになるため、海外出張等の旅費に重点的に充当することになる。
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Research Products
(11 results)