2014 Fiscal Year Annual Research Report
社会関係資本とキーコンピーテンシーによる困難事例自己解決コミュニティ開発の方法
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24330171
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
津田 英二 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (30314454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 和宏 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00273748)
松岡 広路 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (10283847)
伊藤 篤 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (20223133)
横須賀 俊司 県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (60304193)
田中 真理 九州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (70274412)
赤木 和重 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (70402675)
西村 いづみ 県立広島大学, 保健福祉学部, 講師 (90405522)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コミュニティエンパワメント / 障害 / 貧困 / ジェンダー / コンピテンシー / 社会的排除 / 社会関係資本 / ボランティア |
Outline of Annual Research Achievements |
社会的な課題が個人的な問題として集約的に現れている問題(特に社会的排除の問題)の中で、制度的な枠組みによっては解決が困難なケースを「困難事例」と理解し、「困難事例」に向き合うためには、個人のエンパワメントにとどまらず、コミュニティエンパワメントが不可欠であるが、それがどのような形で、どのような過程の中で可能となるのかということに焦点を当てた。第一に、社会関係資本創出実践が、どのようなコミュニティエンパワメントに資しているのかということを明らかにし、外部効果として既存の権力構造への抵抗を生み出す可能性について探究した。第二に、上からの社会関係資本創出の限界を超える自発的な運動の原動力であり産物でもある、既にある社会関係資本やコンピーテンシーについて考えた。 各論として行ったのは、次の作業であった。コンピテンシーと役割との関係。社会的役割の創出による、コミュニティエンパワメント。コンピテンシーはコミュニティの中に、実践の結果として生まれていることが見えてくるということを、学校教育をフィールドとして描出。上からの社会関係資本開発が、結果的に権力構造への抵抗をつくりだしていることの描出。社会関係資本創出の実践が、どのようなタイプの社会関係資本を生み出し、コミュニティエンパワメントに資しているかということの描出。自発的な運動が、制度や文化、慣習、マジョリティの暴力に対して抵抗する源泉として、どのような社会関係資本やコンピテンシーを動員しているかということの描出。大学における発達障害学生を対象として、特に、相談員、教員、一般学生に求められる社会関係資本、コンピテンシーに着目。発達障害者の能力の発揮を認め促すコミュニティを形成する方法と過程を描出。住民主体で被災地を復興しようとする過程を描く中で、社会関係資本、コンピテンシーがどのように現れているか描出。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概念検討や理念の整理を行い、個別のフィールドでの研究を進めているところであるが、それらを取りまとめ、全体討議に付す過程に遅れが生じている。個別のフィールドでの実践や調査をていねいに行うことに力点を置くことが研究組織全体の総意であるため、個別の調査等の途中経過や結果を取りまとめるタイミングを計っている状況にある。また主要メンバーの異動があるなどの不測の事態もあり、全体の足並みをそろえる手間に時間がかかったことも遅延の原因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
夏期に合宿形式で、これまで行ってきた全体の討議、個別のフィールド研究について、集約的にふりかえりを行う計画である。また研究補助員を雇用してデータの収集と整理に努める。
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Causes of Carryover |
研究チームがこれまでの成果を持ち寄り、討議する場を開いたが、日程がうまく調整できず、限定した研究会となってしまった。また、海外研究機関との関係強化等を実施したが、別経費で渡航することができるなど、本経費を使用する必要なく計画を遂行することができる部分もあった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究チームの意思疎通をさらに密接にすることで、これまでの成果を検討する研究会を今年度も引き続きコーディネイトする。また海外の研究拠点との交流を密接にする計画に重点を置く。
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Research Products
(21 results)