2013 Fiscal Year Annual Research Report
パネル調査を軸にしたホームレス経験者への包摂的支援のあり方に関する研究
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24330179
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
山田 壮志郎 日本福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (90387449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 聖子 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (80259366)
吉住 隆弘 中部大学, 人文学部, 准教授 (60535102)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 貧困 / 社会的排除 / ホームレス / 生活保護 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ホームレス問題をめぐる今日的な課題(ホームレス状態から居宅生活に移行したものの再び野宿に戻る人がみられることや、時に貧困ビジネスと非難される無料低額宿泊所が増加していることなど)を視野に入れながら、ホームレス問題を社会的排除の視点から分析し、包摂的な支援システムのあり方を構想することである。本年度は、①ホームレス状態から居宅生活に移行した人々の生活実態に関する調査(4年間の追跡調査の2年目)、②無料低額宿泊所問題に関する実証研究の2つの事業に取り組んだ。 ①の調査は9月~10月に実施し、前年度の回答者及び1年間に新規にアパート生活に移ったホームレス経験者計377人を対象とし、297人から回答を得た(回答率78.8%)。また、量的調査を補充するための質的研究として、アディクションを抱える人の事例研究と親と離別して暮らした経験のある人(11人)へのインタビュー調査も実施した。平成26年3月16日に公開研究会を開催して、調査結果の概要及び分析結果について報告した。上記の質的研究に関する研究結果を報告したほか、縦断データを用いた1年間の経年的変化(精神的健康度の変化、就労状況の変化等)についての分析結果も報告した。 ②の研究に関しては、連携研究者によって特徴的な宿泊所へのヒアリング調査を実施した。その内容は、貧困研究会第6回大会において発表した。 これらの他、前年度に実施した調査の分析結果を研究代表者及び研究分担者が各学会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホームレス状態からアパート生活に移行した人々の生活実態調査は、ほぼ計画通りに実施することができた。無料低額宿泊所問題に関する実証研究も計画通りであった。ただし、当初計画していたホームレス経験者へのインタビュー調査は十分実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降も当初予定していた計画に沿って研究事業を実施する。今年度十分取り組めなかったインタビュー調査については次年度に実施する。また、生活保護に対する市民意識調査をインターネット調査によって実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ホームレス経験者の生活実態調査において、調査対象者が研究計画当初の予定よりも少なくなったため、業務委託費の見積額が少なくなった。次年度使用額が生じた主な理由はそのためである。 助成金の未使用額については、次年度の研究費と合わせ、パネル調査実施にかかる業務委託費や学会発表時の旅費等に使用する予定である。また、翌年度は生活保護に対する市民意識調査を実施するため、同調査にかかる業務委託費にも支出する計画である。
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Research Products
(8 results)