2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24330224
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Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
梅原 利夫 和光大学, 現代人間学部, 教授 (10130858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 由美 和光大学, 現代人間学部, 教授 (00442062)
佐貫 浩 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (60162517)
山崎 雄介 群馬大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (00252411)
金馬 国晴 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (90367277)
舩橋 一男 埼玉大学, 教育学部, 教授 (80282416)
高坂 康雅 和光大学, 現代人間学部, 准教授 (00555253)
額賀 美紗子 和光大学, 現代人間学部, 講師 (60586361)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 学校統廃合 / 比較教育 / アンケート調査 / 発達心理学 / 生活指導論 / カリキュラム研究 / 教育行政学 / 学校体系論 |
Research Abstract |
平成25年度において、以下の3グループの調査研究を行った。 ① 施設一体型小中一貫校と施設が分かれた一般の小学校と中学校の児童、生徒(4,5,6年生および中1,2,3(一貫校の場合は7,8,9年生)を対象にアンケートによる縦断調査を行った。現在データ入力がほぼ終了し、結果の分析途中である。調査対象には全国の施設一体型校10校を含む。対象児童・生徒数は、各4500名程度である。25年度は初年度であり、26年度に2回目のアンケート調査を行う予定である。今回の調査の分析結果は、心理学関係の学会および教育方法関係の学会で報告予定である。 ②海外の小中一貫校を対象とした比較調査、平成25年度においては、カリフォルニア州サンデイエゴ市のK~8学校、日本では小中一貫校に該当する公立バーナード小学校のプログラムの調査、および、イリノイ州シカゴ市とミシガン州デトロイト市の学校統廃合の状況とK~8、K~12、K~14といった日本の小中一貫校モデルに近い学校体系の学校について調査研究を行った。サンデイエゴ市のK~8学校は、公立小学校が地域の要求に応じて、荒れた大規模な中学校を避けて小学校敷地に中学校教室を併設して行うタイプのものがほとんどであった。バーナード小学校は、統廃合計画の中で生まれた例外的な学校であり、特色であるアジア言語プログラムを拡大させた。 ③国内の小中一貫教育を導入した自治体の訪問調査として、広島県呉市、京都府京都市、東京都八王子市、茨城県つくば市の小中一貫校の訪問調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①アンケート調査に関しては、調査初年度としては、北海道から九州に及ぶ全国の自治体の小中学校を対象とし、対象児童生徒、各4500名程度の大規模調査を行うことができた。現在分析を行っており、当初の計画以上の大規模調査となっている。 ②海外の小中一貫校を対象とした比較調査については、初年度に調査を行ったサンデイエゴ市のバーナード小学校について再度調査を行うことができた。2012年度の大規模統廃合計画がコミュニティの反対により阻止され、小学校では同校のみが中学校と統合されることになったが、マグネットスクールでもある同校はそれをプログラム(アジア言語プログラム)の発展に結びつけた例外的なケースである。シカゴ市及びデトロイト市の学校統廃合と小中一貫校の関係はそれとは異なっている。校舎を統合し、コスト削減する目的でK~8、K~12学校以外に、コミュニティカレッジまでを統合したk~14学校もみられた。また、大規模統廃合の結果、コミュニティの荒廃が進んでいるケースも見られた。特に貧困地域の閉校が進められそこには学力テスト結果との相関関係も見られた。統廃合の方途として小中一貫校の導入が用いられるという点で、2都市のK~8、K~12学校は、日本の小中一貫校と共通する特徴が見られた。日本における小中一貫校のモデルについて、これまで明確なケースを特定することができなかったが、これらのモデルの発見と分析は研究を進める上で非常に大きな意味を持つと思われる。 ③ 日本国内の小中一貫教育を行っている自治体調査については、カリキュラム分析のグループが積極的に調査研究を行った。初年度に引き続き広島県呉市の呉中央学園および近隣自治体の調査を進めた。小中一貫教育の教育的効果について、実証的な研究が必ず塩行われていないにもかかわらず、制度化が進められている状況において、重要な意義を持つ研究せいかになることが予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年について以下のような推進方策を予定している。 ①第2回目のアンケート調査を、平成25年度の規模をやや拡大する予定で行う。これは、平成25年度に訪問調査した小中一貫校の調査協力が得られたケースがあるためである。9~11月の間にアンケート調査配布・回収を行い、初年度の結果と比較して縦断調査の分析を行う。今年度の終盤には、全体の分析結果が明らかになることが予測される。なお、さらに継続的にアンケート調査を行うことも課題としている。 ②比較調査としては、引き続きシカゴ市、デトロイト市のK~8、K~12、k~14学校を統廃合政策と併せて分析する。早い段階でシカゴ市の訪問調査を行う予定である。その結果の一部について、今年度中に一般の書籍の形で出版予定である。 ③ 引き続き、呉市、京都市、大阪市、八王子市、つくば市など小中一貫教育を行っている自治体について訪問調査を行う予定である。八王子市の小中一貫校については、小規模で独自の教育・研究の取り組みを行っており、学校管理職が本調査に関心も高いこともあり調査の協力を継続的に依頼していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
書籍の注文が年度内に間に合わなかったため。 H26年度に書籍代で支出予定。
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