2014 Fiscal Year Annual Research Report
比喩的な指導言語による感覚の共有と「わざ」の学びモデルの構築
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24330226
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Research Institution | Den-en Chofu University |
Principal Investigator |
生田 久美子 田園調布学園大学, その他部局等, 教授 (80212744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 勝朗 東北大学, その他の研究科, 教授 (50195286)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 「わざ」言語 / 感覚の共有 / 五感 / 身体性 / 概念化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度は科研の3年目にあたり、国外での訪問調査活動及び資料収集を行うとともに最終年度へ向けて理論的枠組みの精査を行った。 研究会活動として、2014年6月に第4回研究会を実施し、日本の伝統芸能の一つである「香道」に関する議論を行った。9月には第5回研究会として早稲田に新しく開設された「手でみる美術館」を訪問し、「触る」「見る」といった感覚を通しての学びについて知見を得た。さらに同月の第6回研究会では「わざ」と「ことば」との関連性に関する理論として、大村の「教材」論、ランガーの「シンボル」論を精査した。3月の第7回研究会では、「感覚」に関する理論枠組みの一つとしてE.パノフスキーのイコノロジー論について議論を行った。 代表者である生田は、調査活動として、2015年3月にイタリアでの訪問調査活動を行った。オメロ美術館(アンコーナ)、アンテロス美術館(ボローニャ)、盲人協会(ローマ)等の各施設において、「見る」「触る」「知る」に関する議論及びワークショップを実施し、身体性と言語の関係性に関する知見を得た。 また分担者である北村は、エキスパート・ジュニアスポーツ指導者5名を対象とし、小学生スポーツ選手にわざ 言語を通して「暗黙知」をどのように伝えようとしているのか、またそれはどのような意図や考え(メンタルモデル)によって形成されているのか、練習場面で用いる指導言語の観察およびインタビュー調査により明らかにした。 成果発表活動としては、日本教師学学会等において成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終年度に向けて、調査、資料収集、データ分析、理論準備等を予定通り進めることが出来ている。また、国外での調査も実施し、国際的な協力関係を構築することもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度となるため、本科研の全体を通した研究報告書の刊行を予定している。そのため、これまでに調査の結果を分析し、蓄積してきた成果に基づく理論構築と提言、及びモデル提示にむけた議論を具体化させていく。
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Causes of Carryover |
最終研究報告書を刊行する予算確保のため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終的な研究報告書の印刷・製本代として使用する。
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