2013 Fiscal Year Annual Research Report
少年院における更生的風土の形成と展開に関する教育学的研究
Project/Area Number |
24330239
|
Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
伊藤 茂樹 駒澤大学, 総合教育研究部, 教授 (70251569)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 照幸 日本大学, 文理学部, 教授 (10208887)
後藤 弘子 千葉大学, 専門法務研究科, 教授 (70234995)
田中 奈緒子 昭和女子大学, 人間社会学部, 教授 (50277935)
古賀 正義 中央大学, 文学部, 教授 (90178244)
平井 秀幸 四天王寺大学, 人文社会学部, 講師 (00611360)
岡邊 健 山口大学, 人文学部, 准教授 (40356209)
南 保輔 成城大学, 文芸学部, 教授 (10266207)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 少年院 / 矯正教育 / 更生的風土 / SST |
Research Abstract |
少年院における矯正教育の効果を高める「更生的風土」の形成過程と実際について明らかにするため、平成25年度には下記のような研究を行った。 1.テーマ1「少年院におけるフィールド調査」においては、①関東地方の長期少年院において3日間の「連泊調査」を行い、寮での生活や教官と少年のインフォーマルなやりとりも含め、指導と生活の全容の把握を試みた。②東北地方の女子少年院において、創作オペレッタに関する職員及び少年へのインタビュー調査、質問紙調査及び文書資料の収集を行い、その特徴や構造、通時的な変遷についての把握を試みた。③関東地方の女子少年院において、SSTの観察及び職員へのインタビュー調査を行い、その特徴や構造の把握を試みた。④四国地方の女子少年院において、薬物に関する改善指導の観察及び職員へのインタビュー調査を行い、その特徴や効果の把握を試みた。 2.テーマ2「大規模質問紙調査の分析」においては、平成20年から22年にかけて実施した少年院在院少年及び職員対象の質問紙調査の結果について、さらなる分析を行った。 3.テーマ3「特定の教育プログラム及び特定施設に関する文書資料と職員に対するインタビュー調査による歴史研究」においては、戦後少年院における矯正教育と更生的風土の形成について、矯正政策の形成に深く関わった元キャリア職員、長く現場で矯正教育に携わってきた元職員らへのインタビュー調査、中部地方の少年院への訪問調査、及び文献資料の収集を行った。 4.テーマ4「国際比較研究」においては、比較対象とする訪問先の選定作業として資料収集を行い、候補地をアメリカ合衆国ワシントン州に決定した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
テーマ1からテーマ3に関してはおおむね順調に進展している。テーマ4に関しては、比較対象とする訪問先の選定に時間がかかり、平成25年度に訪問することができなかった。しかし、訪問先は既に決定しており、平成26年度に訪問する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.テーマ1「少年院におけるフィールド調査」については、男子少年院の「連泊調査」、女子少年院における創作オペレッタ、女子少年院におけるSST、同じく薬物改善指導について、論文作成及び学会報告を行う。 2.テーマ2「大規模質問紙調査の分析」については、さらなる分析の結果について論文作成を行う。 3.テーマ3「特定の教育プログラム及び特定施設に関する文書資料と職員に対するインタビュー調査による歴史研究」については、元キャリア職員、元職員数名へのインタビュー調査を引き続き実施するほか、矯正教育史関連文献の収集も継続して行う。インタビューのデータは文字起こしをし、聞き取り資料集として研究に活用できるようにするとともに、文献資料との突き合わせを行い、更生的風土の形成の過程について、政策と現場との関係、新しい技法の導入・普及と変容などの視点からとりまとめる。 テーマ4「国際比較研究」については、平成26年8月にアメリカ合衆国ワシントン州において、少年司法関係官庁及び複数の少年矯正施設を訪問し、日米の少年矯正施設や施設内処遇の比較のための聞き取り、資料収集のほか、先進的、実験的な処遇についての情報収集を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に予定していた少年矯正の国際比較調査のための海外訪問が、訪問先の選定に時間を要したため実施できず、平成26年度に延期したことにより、次年度使用額が生じた。 少年矯正の国際比較調査のために、平成26年8月にアメリカ合衆国ワシントン州を訪問する。少年司法関係官庁及び複数の少年矯正施設を訪問し、日米の少年矯正施設や施設内処遇の比較のための聞き取り、資料収集のほか、先進的、実験的な処遇についての情報収集を行う。
|