2014 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害児が苦手とする文および文章の読みにおける方略の個人差に関する研究
Project/Area Number |
24330259
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
澤 隆史 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80272623)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 聴覚障害 / 文の理解 / 方略 / 構文 / 文章読解 / 眼球運動 / 視線解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、眼球運動の測定等による読み活動中の認知的処理の分析を通じて、聴覚障害児の読みにおける方略の特徴や個人差の要因を明らかにすることを目的としている。本年度は、聴覚障害児童・生徒を対象に文および文章理解時の認知プロセスについてアイトラッキングシステムによる眼球運動測定のデータ収集、結果の分析および公表を行った。 課題で使用する文として能動文と受動文を取り上げて静止画を用いた強制選択による文理解課題を作成し、聾学校小学部児童を対象に実施した。研究の結果、聴覚障害児の文理解において態、語順および単語間の意味的関係が強く影響することが示された。また語順や意味的関係に基づいた理解方略を用いることによって、文の理解を誤る児童が相当数存在することが明らかになった。さらに眼球運動計測の結果から、誤った理解に至る児童では文の注視時間が短く、特に格助詞の注視時間が顕著に短いなどの特徴が示された。 次に聾学校中学部生徒を対象とした文章理解課題を実施し、課題遂行時の眼球運動データ等を計測するとともに、読書力検査・文法力検査を実施した。分析の結果、文章読解における推論の必要性に応じて文章の読み時間が顕著に異なること、この傾向は読書力の低い群において特に顕著であること、読書力の低い群では文章中のキーワードやキーセンテンスのみに着目して文章全体の推論や読解を行う視覚一致方略を利用していることなどが示された。以上の結果から、聴覚障害児においては読み方略の個人差の大きいことが示唆された。以上の結果の一部を、日本特殊教育学会第52回大会で発表した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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