2012 Fiscal Year Annual Research Report
数論的アルゴリズムの研究を通したエルゴード理論の新たな展開
Project/Area Number |
24340020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
仲田 均 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40118980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 明久 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50217189)
福山 克司 神戸大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60218956)
夏井 利恵 日本女子大学, 理学部, 准教授 (60398633)
厚地 淳 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (00221044)
浜 正樹 文京学院短期大学, 英語科, 准教授 (90389875)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | エルゴード理論 / 連分数 / アルゴリズム / 国際研究者交流 / イスラエル:フランス:オランダ:韓国:ポーランド |
Research Abstract |
今年度の最大の目的であった国際的共同研究ネットワークの確立のため、平成24年12月に日本女子大において、研究集会を開催し、下記海外研究者を招待した : Jon Aaronson、Vitaly Bergelson、Valerie Berthe、Dong Han Kim、Cor Kraaikamp、Mariusz Lemanczyk、Omri Sarig、Thomas A.Schmidt この研究集会、およびその前後にこれらの研究者と本研究分担者との間で今後の研究計画を練り上げると共に、今後の共同研究ネットワークを作り上げた。 今年度の主な研究成果は以下の通りである: 1.仲田均、夏井利恵、Valerie Bertheの共同研究で、ユークリッドアルゴリズムのコストの評価について、従来不可能と思われていた詳細な評価が可能であることを確認した。 2.仲田均、夏井利恵、Dong Han Kimの共同研究で、正標数を持つ非アルキメデス数体上の非斉次ディオファンタス近似に対するKurzweil型定理を一般化し新しい条件のもとで、近似のクラスを分類した。 3.仲田均、Jon Aaronsonの共同研究では、無限大の不変測度を持つエルゴード的変換においてFurstenbergの提案した条件が、等差数列に関するエルデシ予想と同値なことを証明した。これに付随して、ある条件の下で測地流の2重再帰性について証明の手掛かりを得た。 4.井上賀絵、仲田均の共同研究により、flat surfacesの空間の構成を通してinterval exchangeとcircle上のarcwise exchangeのdual性を明らかにすることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の最大の目的だった国際的共同研究のネットワークの確立は予定通りに行われた。ユークリッドアルゴリズムのコスト関数のエルゴード理論的研究手法による研究、∞不変測度を持つ変換としてのRauzy inductionのエルゴード理論の研究、エルゴード的群作用の研究へ向けたディオファンタス近似論の測度論的研究、それぞれ当初の計画通り順調に研究自体は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
海外の研究者との共同研究を軸に研究を進めていく。国内の研究連携との兼ね合いから研究テーマごとに研究期間をある程度設定して、その期間にテーマの共同研究を行うようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外研究者との研究情報交換および共同研究にかかわる旅費、また、国内研究者間の研究連絡にかかわる旅費が主な使途となる。さらにこれらの活動を円滑に行うためのサポートにかかわる謝金、消耗品費にも予算の使用を見込んでいる。
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Research Products
(12 results)