2013 Fiscal Year Annual Research Report
数論的アルゴリズムの研究を通したエルゴード理論の新たな展開
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24340020
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
仲田 均 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40118980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 明久 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50217189)
福山 克司 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60218956)
夏井 利恵 日本女子大学, 理学部, 准教授 (60398633)
厚地 淳 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (00221044)
浜 正樹 文京学院短期大学, その他部局等, 准教授 (90389875)
井上 賀絵 慶應義塾大学, 薬学部, 講師 (90621011)
田村 要造 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50171905)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | エルゴード理論 / 連分数 / アルゴリズム / 国際研究者交流 / 多国籍 / 国際情報交換 / イタリア:イギリス |
Research Abstract |
本年度の研究計画に従い下記の研究テーマを中心に研究を行うと共に研究集会(12月)とミニ研究会(1月)を行った。 有限体の要素を係数に持つ多項式のユークリッドアルゴリズムのコストの評価に関しては多項式が二つの場合については母関数の方法とエルゴード理論を用いた方法を組み合わせることにより新しい成果を纏めることが出来、論文として公表した。続いて多項式が三つの場合の問題に取り組み、2013年3月に仲田、夏井が国外協力者のValerie Berthe とLIAFA(パリ第7大学) において共同研究を行い基本的な成果を得ることができた。この研究は次年度に継続して研究を行いさらに発展させる計画である。次に複素数連分数変換のエルゴード理論に関する研究は仲田、夏井が連携研究協力者の江居宏美(弘前大学)と共に数値計算を基にnatural extensionの構造を理論的に明らかにすることにかなりの部分成功した。次年度に論文として成果を纏める予定である。interval exchange のRouzy induction の natural extension の研究については 論文として纏め上た。当初、論文はVeech の表記法により書き上げたが国外協力者 Tom Schmidt氏(Oregon State University)のアドヴァイスによりをViannaの表記法に変更して論文を投稿した。他の研究分担者はこれらの研究の周辺分野の研究に従事し研究のサポートを行った。 研究計画に従い2013年12月に慶應義塾大学日吉キャンパスにおいて、中国、韓国の研究者との研究交流のための研究集会を開催した。韓国から10名、中国から17名の研究者が参加したことに加え、オランダ、フランス、アメリカから各1名ずつの参加者を得て、当該分野の各国における研究状況について貴重な情報を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ユークリッドアルゴリズムのコスト関数の力学系的手法による評価と組み合わせ論的手法による評価の相互比較による研究が順調に進んでいる。また、Rouzy induction のnatural extension の構成に関する論文が完成し、次の段階に進められるようになった。さらに複素数連分数変換連携研究者や国外協力者との共同研究も順調に進められている。また、新たに、Ito-Tanaka型α連分数変換の研究についてフランスCNRS研究員の Wolfgang Steiner氏との共同研究が計画され、Tel AViv大学Jon Aaronson教授との多重再帰性の研究も見通しが出てきている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、中心となって進められているユークリッドアルゴリズム、複素連分数変換、多重再帰性の研究についてこれまでの成果を論文としてまとめていくことが次の課題である。また、interval exchange の Rouzy induction については、これまでの研究で未解決の部分を解決するための新たな手法を確立することとそのために必要と思われる周辺分野の情報を収集することが不可欠と考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
12月に開催した研究集会に招待した Delft工科大学名誉教授 Michael S. Keane氏、および フランスCNRS上級研究員Sebasteen Ferenczi氏への旅費、滞在費支出が不要となったため。 国外研究協力者のフランスCNRS上級研究員Valerie Berthe氏を2015年1月に招へいして、共同研究を行う。また、2014年12月に国内において研究情報収集のための研究集会を行う。
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