2013 Fiscal Year Annual Research Report
新技術ライダー観測を活用した超高層大気下部の化学過程と物質輸送の研究
Project/Area Number |
24340121
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
中村 卓司 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (40217857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江尻 省 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (80391077)
鈴木 秀彦 立教大学, 理学部, 助教 (40582002)
阿保 真 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (20167951)
川原 琢也 信州大学, 工学部, 准教授 (40273073)
藤原 均 成蹊大学, 理工学部, 教授 (50298741)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 超高層物理学 / ライダー / 中間圏界面 / 流星フラックス / 金属原子 / 大気大循環モデル / レーダー観測 / 下部熱圏 |
Research Abstract |
本研究では、観測的情報が決定的に欠落している超高層大気下部(中層大気上部・下部熱圏、あるいはMLT(中間圏下部熱圏)領域)の組成とその変動に関する情報を新しく開発した多波長の共鳴散乱ライダー等新技術のライダー観測を実施することで飛躍的に増大させる。これに加え先端的レーダー観測で得た下部熱圏への流星物質流入フラックスの季節変化を用い、最新のGCMモデルを投入することで超高層大気下部の物質輸送と化学過程について明らかにすることを目的とした。 課題1、「新技術ライダーを用いた集中観測」については、課題であった2倍高調波での運用も軌道にのり、多波長の共鳴散乱ライダー観測で国内観測を実施できた。また、南極昭和基地での観測に向けて、計測器のキャリブレーション方法に大きな進展があり、送信波長の正確なチューニングが可能となり、南極観測で威力を発揮するシステム化が進められた。 課題2、物質フラックスのレーダー高精度観測については、MU レーダーで開発された流星速度分布とフラックスを正確に測定する流星ヘッドエコー観測法について、PANSY レーダーに適応して試験観測を行った。今後観測のデューテーを上げる改善を行う。また、PANSYレーダー中間圏観測データを精査したところ予想以上に強い散乱が夏季以外に見られたことから、流星ダストとの関連も視野に入れて詳細解析を始めた。 課題3、取得データの解析・データベース化については、対象を多種の金属に拡張して、拡充を図った。また温度データについて導出方法を再検討して高度範囲を拡大した。 課題4、数値モデルと観測との比較については、大気大循環モデルで微量成分の高度分布と変動についていかに再現されるか比較検討を行うため、九大GCMの極域データ、大気光イメージャデータ、MFレーダーデータ等を調査し極域に特有な慣性重力波から潮汐までの周期の変動の特徴を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題ごとにばらつきはあるものの、本研究課題が目指すサイエンスに向けて進捗は良好である。南極での新規データの取得は、砕氷船しらせの接岸不能等による輸送の制限もありやや遅れているが、その分中緯度のデータの充実度は上がっており、既存のデータの解析も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
全球的な結合の視点が当該分野でも非常に重要となってきている。このような視点を重視してモデルの活用を一層図るように努力するとともに、他のさまざまなデータについて調査し研究に取り込んでいくようにしたい。とりわけ衛星観測データについて国内外の関係者ともコンタクトを取って進めることが重要であると思われる。南極での観測については観測隊全体の計画にも左右されるが可能な範囲で最大限データを取得するとともに、過去のデータの再解析を進めたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度について、研究支援員(研究者)1名を雇用して研究を加速する予定であったが、国立極地研究所の機関研究員1名が研究協力者として加わったことで、支援員を雇用する必要性がなくなった。 26年度に繰り越した予算については、最終年度ということで、検討のための海外共同者のの招へい、成果発表および議論のための派遣など、旅費の支出を拡大する予定である。
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[Journal Article] Simultaneous PMC and PMSE observations with a ground-based lidar and SuperDARN HF radar at Syowa Station, Antarctica2013
Author(s)
Suzuki, H., T. Nakamura, M. K. Ejiri, T. Ogawa, M. Tsutsumi, M. Abo, T. D. Kawahara, Y. Tomikawa, A. S. Yukimatu, N. Sato
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Journal Title
Ann. Geophys.
Volume: 31
Pages: 1793-1803
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] New aspect of middle and upper atmosphere observations at Syowa Station2013
Author(s)
T. Nakamura, K. Sato , M. Tsutsumi, T. Yamanouchi, T. Sato, Y. Tomikawa, K. Nishimura, M. K. Ejiri, M. Abo, T. T. Tsuda, T. D. Kawahara, H. Suzuki, A. Mizuno, T. Nagahama, H. Yamagishi, A. S. Yukimatsu, M. Kohma, Y. Isono, T. Nishiyama, T. Matsuda
Organizer
第4回極域科学シンポジウム
Place of Presentation
立川学術プラザ(立川市)
Year and Date
20131112-20131115
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[Presentation] “The seasonal variation and the short-term variation of Nitric oxide in the MLT region at Syowa staion”2013
Author(s)
Isono, Y., A. Mizuno, T. Nagahama, Y. Miyoshi, T. Nakamura, R. Kataoka, M. Tsutsumi, M. K. Ejiri, H. Fujiwara, and H. Maezawa
Organizer
第4回極域科学シンポジウム
Place of Presentation
立川学術プラザ(立川市)
Year and Date
20131112-20131115
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