2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24360392
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山澤 弘実 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70345916)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森泉 純 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (90303677)
平尾 茂一 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (30596060)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 放射性核種沈着 / ラドン壊変生成物 / 空間線量率 / 環境放射線モニタリング |
Research Abstract |
環境放射線モニタリング情報の高度利用法の開発と大気中放射性物質輸送過程のモデル化を目的として、1)降水中核種濃度測定器の改良、2)降水中核種濃度の解析、3)線量率データの解析と核種濃度推定法の開発を行った。 1.測定器の改良では、現有測定器の検出部に3×3インチ井戸型NaI(Tl)の大型化による検出効率の向上、雨水採取量を約1,7倍とすること等により、装置全体として感度を約2倍とした。遮蔽体の増強によるバックグラウンド低減も同時に試みたが、当初見積もり低減効果が小さく、改良前に比べて測定精度は向上したものの、目標とした5分間隔での高時間分解能測定を十分達成できる状態に至っていない。 2.改良前後の同装置での測定結果について、Pb-214、Bi-214濃度及び核種の解析を行い、濃度に季節依存性があること、及び核種比は季節依存性に加えて降水タイプへの依存性があることが見出された。さらに、核種比からは両核種の系列壊変の特徴を利用して降水雲の高度に関する情報を抽出できる可能性を指摘した。 3.浜岡原子力発電所周辺のモニタリングステーションデータを主対象として解析を行い、降雨終了後の線量率時間変化形状から核種比が合理的に推定できること、開発した地物の幾何学的条件を考慮した線量率計算モデルにより濃度を推定できること、幾何学的条件を考慮しない簡易評価ではファクター2~3の濃度過小評価となること、推定された濃度の核種間の差異から沈着核種の流出特性を推定できる可能性が有ることを見出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
測定器改良ではバックグラウンド低減化で進捗が多少遅れているものの、改良の他の項目は概ね計画通りである。濃度データ解析はほぼ計画通りの達成度である。線量率データ解析は、当初の想定以上の成果が得られており、計画全体の目的であるモニタリング情報の高度利用法の開発の達成が見込まれる。
|
Strategy for Future Research Activity |
降水中核種濃度測定器の改良における遮蔽強化の進捗状況を次年度前半で回復し、後半での本測定に備える。データ解析及びモデル化は当初計画通りかそれ以上の進捗であるため、計画に基づき着実に推進する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予備的に行った遮蔽強化による測定精度向上が当初の見込み通りとならなかったため、計画していた遮蔽材の増置を見合わせたために予算執行残が生じた。次年度前半までに、新たな見積もりによる遮蔽材増置、検出器の改善、装置への冷却機構の付加の何れか、あるいは組み合わせによる改善を図る。そのために、次年度予算とともに、測定精度向上という当初の目的のために、これら対策のための費用として使用する。
|
Research Products
(6 results)