2013 Fiscal Year Annual Research Report
低環境負荷・中高温域カスケードモジュール用フラッシュ合成製ナノ熱電材料の開発
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24360400
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
沖中 憲之 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20250483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 友宏 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50175808)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノ材料 / 熱電変換 / 排熱利用 / 環境材料 / 不定比酸化物 / 格子欠陥 / 燃焼合成 / フラッシュ合成 |
Research Abstract |
色々な分野で発生する熱エネルギーの大部分は,現在,未利用のまま捨てられている。熱電発電は,地球温暖化対策とも相まって,この廃熱エネルギーを回収する小規模なエネルギー変換システムとして期待されている。しかし,従来の熱電材料は重金属等の有害化危惧物質を含んだ材料が多く,環境負荷の少ない材料が望まれている。この点において酸化物熱電材料は環境負荷が少なく,金属の熱電材料では問題になる高温大気中における安定性も高い。 化学量論比からずれた不定比金属酸化物半導体は,酸素の欠乏量,過剰量によりキャリア濃度を制御可能である。不定比組成を厳密に制御できれば,有用な熱電材料になる。一方,燃焼合成法の一種であるフラッシュ合成法は,任意の不定比組成を有する不定比金属酸化物をサブマイクロメートルの粒子径で合成可能な手段であり,酸化物熱電材料を作製するのに非常に有用な方法である。このため,フラッシュ合成法を粉末酸化物の製作に適用し, 1.n型熱電半導体の最適組成の検討:24年度で絞り込んだn型熱電半導体における組成の最適化を実施した。また,熱的安定性の観点からも材料・組成を検討した。 2. 金属酸化物粉体の固化成形方法の検討:24年度で研究した種々の焼結手法,微細な不定比金属酸化物粉体を用いた,焼結条件等,固化成形条件の最適化を実施し,パルス通電焼結が有効であるとの知見を得た。 3. 研究成果の発表:積極的に成果の発表を行い,他の研究者からの助言,批判を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究業績の概要に記載の通り,当初計画の本年度研究目標を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.カスケード型熱電モジュールの試作:平成24年度,25年度において決定した中・高温用p型,n型それぞれの熱電材料を用いて,カスケード型熱電発電モジュールを試作し,その性能を評価する。 2.総合的評価:p型,n型熱電半導体材料の最適組成及び金属酸化物粉体の固化成形方法,試作した熱電モジュールに関する総合的な評価・検討を行う。 3. 研究成果の発表:24年度,25年度と同様に積極的に成果の発表を行い,他の研究者からの助言,批判を受ける。助言や批判の内容はそれぞれの検討課題へフィードバックさせる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
大型の特注装置の購入を予定していたが,小型の特注装置の購入と現有設備の改造の方が安価かつ本研究に適していると判断し,小型の特注装置の購入と現有設備の改造を実施した結果,当初予算との差額が発生した。 次年度は「カスケード型熱電モジュールの試作・評価」に研究の重点を置くので,関連する評価装置の購入に使用する。
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Research Products
(10 results)