2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24380001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
加藤 清明 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (60271748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 一光 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (50526704)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イネ / 低温ストレス / 植物型糖鎖修飾 |
Research Abstract |
イネの生育至適温度は25℃から30℃とされている。稲作北限地では、通常年でも移植後15℃前後の低温に曝されるために、栄養成長期の低温耐性の強化は重要な育種目標の一つとなっている。我々は、北海道の水田条件で、栄養生長量に違いのある突然変異体を独自にスクリーニングし、原因遺伝子の単離とその機能解析から低温耐性メカニズムの解明とその育種的利用を目指した研究を進めてきた。これまでに、イネにγ線照射して得た栄養生長量の劣る突然変異体のマップベースクローニング法により原因遺伝子を特定してきた。本年度は、この原因遺伝子の一つが、欠損遺伝子の配列から予測された通り、タンパク質の植物型糖鎖修飾が欠損していることを確認した。続いて、低温による栄養成長期の生育への影響を精査し、野生型と比較して当該変異体で低温による生育阻害が強く、特に根の生長阻害が顕著となった。根の形態を観察したところ、冠根数と冠根の伸長がいずれも至適条件下でも劣ることが示された。また、低温ストレス下でのイネの栄養生長に欠かせないABCトランスポーターRCN1の変異体rcn1との二重変異体は、各単一変異体よりも分げつ伸長と根の伸長ともにシビアな表現型となった。また、当該変異体ではRCN1の発現量に影響は無かった。従って、植物型糖鎖修飾が、低温に曝されたイネの栄養成長の根の生長に欠かせないこと、そして作用はRCN1とは独立め経路であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画した3種の実験を終え、H25年度に計画していた実験の一部を前倒しで実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度は、計画通り以下の2つの実験を実施する。まずは、遺伝子組換え体を使った相補性検定を実施する。続いて、当該遺伝子の植物ホルモンと各種非生物的ストレス処理に対する発現応答性を特徴付け、ストレス応答における役割を考察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
納品の延期された遺伝子組換え体は、H25年度9月に納品されるので、H24年度分の未使用額を使用する。H25年度は当初計画した通りに使用予定。
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Research Products
(2 results)