2013 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムのワードプロセシング技術の新展開-酵母染色体任意領域重複技術の開発
Project/Area Number |
24380048
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原島 俊 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70116086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 嘉信 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90161182)
前川 裕美 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80399683)
杉山 峰崇 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80379130)
笹野 佑 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90640194)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 酵母 / ゲノム工学 / 染色体の部分重複 / 育種 |
Research Abstract |
産業酵母の有用形質には,染色体部分領域の重複が重要であることが明らかになってきた。こうした部分異数性と(有用)表現型との関係を明らかにするためには,染色体任意領域の重複を自在に作り出すゲノム工学技術(PCDup法と命名)が必要である。いずれの生物種においても開発されていなかったこうした技術を昨年度までに開発し,PCDup法によって、期待通り,部分重複が可能であることを実証した。そこで,本年度は,16本の染色体の全てについて,200kb 毎の重複(合計64領域)を作成することを目指した。その結果,重複を試みた42 領域のうち39領域について重複株を得る事ができた。興味深いことに,42領域のうち3領域については重複株が得られなかった。これらの領域については,その領域全体の重複が致死性を引き起こす可能性を考え、200kbの領域を50kbずつわけた時に重複が可能かどうか実験を行っている。続いて、得られた重複株について表現型の解析を行った。その結果、高温、酸への耐性変化が見られる株もあった。それらの領域内にある遺伝子の単独過剰発現では、そうした表現型は報告されていないので,こうした表現型は重複領域内の複数遺伝子の同時重複に起因すると考えている。 次に、複数部位のワンステップ同時分断技術の開発を目指した。昨年度までにいくつかの方法を検討したが,同時分断を引き起こすことはできなかった。そこで,近年開発されたRNAガイドにより二重鎖切断を可能とするCRISPR/Casゲノム編集技術を取り入れることにした。CRISPR/Cas により二重鎖切断を誘導した条件で染色体分断を行ったところ、100倍以上形質転換効率が向上し,ゲノム上の独立した2か所での同時分断を引き起こすことに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PCDup法が確立したので,ゲノム全体にわたる200kbの領域の重複は時間の問題であったが,それが予想通り進展したこと。および,染色体の複数部位同時分断にCRISPR/Casゲノム編集技術を取り入れ,成功したことが順調に進展したと判断できる理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従い、64領域全てについて,全ゲノムに渡る染色体部分領域重複株の構築を完成する。200kbの大きさで重複ができない領域については、100kb,あるいは50kbずつにわけて重複を作成する。これが完成すれば、全ての重複株の表現型をできるだけ多く調べる。これは,当初の研究推進方策と変わりが無い。CRSPR-Cas9 システムを導入したことにより,異なる染色体上の複数部位の同時分断に成功したが、同一染色体上の複数部位でも可能かどうかを検討し、PCDup技術の拡張を図る。さらに,有用表現型に変化が見られたものについて、CRSPR-Cas9 システムによる同時複数部位の分断技術を応用し,複数領域のワンステップ同時重複を行い,有用表現型が組合わさった株を簡便に育種する技術の開発を目指す。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Increased transcription of RPL40A and RPL40B is important for the improvement of RNA production in Saccharomyces cerevisiae.2013
Author(s)
Khatun, F., Kurata, K., Chuwattanakul, V., Sugiyama, M., Kaneko, Y., Harashima, S.
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Journal Title
J. Biosci. Bioeng.
Volume: 116(4)
Pages: 423-432
DOI
Peer Reviewed
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