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2013 Fiscal Year Annual Research Report

高等および下等植物におけるプロゲステロンの存在と生殖器形成調節機能

Research Project

Project/Area Number 24380064
Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

横田 孝雄  帝京大学, 理工学部, 教授 (40011986)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsプロゲステロン / トウモロコシ / オス花メス化変異体 / プロゲステロン合成酵素
Research Abstract

トウモロコシのPROG合成酵素の解明:トウモロコシのオス花(頂花)がメス花に変化する変異体としてtasselseed1 (ts1)とtasselseed2 (ts2)が知られている。ts1はジャスモン酸の合成酵素の1つであるリポキシゲナーゼの変異体であるが、ts2の原遺伝子の機能は明瞭ではない。しかし、WTのTS2遺伝子はTS1遺伝子の下流にあり、しかもジギタリスおよび緑膿菌のPROG合成酵素と推定されているD5-3bHSDの遺伝子と極めて相同性が高い。従って、申請者はTS2酵素がトウモロコシのPROG合成酵素であると推定した。そこで、静岡大学との共同で、TS2遺伝子を人工合成し、それを大腸菌に導入し組み替えTS2を作成した。この組み替え体にNADPH存在下でプレグネノロンを代謝させたところ、その代謝物としてプロゲステロンを同定した。このことよりTS2遺伝子がプロゲステロン合成酵素である可能性が高まった。
トウモロコシのPROGの雌花雄性化作用の投与実験による証明実験:上述の結果から、トウモロコシのts2変異体にプロゲステロンを投与すればその表現型である頂花のメス化現象が正常化するはずである。ここで問題なのは、ts2変異体は外見からはWTと区別できないことである。そこで ts2-N2491変異体について岩手生物工学センターと共同で、PCRによる識別法を確立した。しかしながら、プロゲステロン投与によってts2変異体の正常化は起こらなかった。これは、プロゲステロンの脂溶性がたかく、高濃度のプロゲステロン溶液を調製できなかった為と考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

TS2遺伝子を人工合成でき、その組み替え体を作成したことは,本研究の達成目標の追究に大きな意味があった。本組み替え体を使って、プレグネノロンからプレグネノロンへの変換を証明できたからである。植物酵素のなかで、このような酵素活性を同定したのは本研究が始めてであることからも、この結果については充分評価できるものと考えている。様々なステロイドを使って構造活性相関を明らかにする計画であったが,この点については行なうことができず、次年度の繰越課題となった。
また、プロゲステロン投与によるTS2変異体の回復実験は失敗に終わったので達成度はゼロであった。しかしながら、この結果から、より明瞭な表現型を示す変異体を使う必要性が示唆されるとともに,投与法についも更なる工夫が必要なことがわかったので、次年度にこの経験を生かしたい。
なお、もう1つの目的であった“PROG合成に必要なステロールの側鎖切断酵素の解明”については、既知のステロイドのシトクロムp450酸化酵素との類似性から、側鎖切断酵素の候補を選択し、それを酵母などに導入した組替え酵素によって、ステロールを代謝させて、ステロールの側鎖切断酵素を推定する予定であった。しかしながら、時間的に本研究を行う余裕がなかった。この点を追究するには時間的、人員的にも困難と感じられたので、本目的については本研究プロジェクト中では追究しないこととした。

Strategy for Future Research Activity

トウモロコシのPROG合成酵素の解明: 昨年度は本酵素がプロゲステロン合成酵素である可能性を示したが、この酵素が本当にプロゲステロンに特異的なのかについて調べていく必要がある。そのためには様々なステロイドに対する代謝活性を調べる必要がある。そこで、昨年度作成した組替えTS2を用いて、テストステロンなどの多数のステロイドを基質として与え、その代謝物を調べることにより、この酵素がプロゲステロン合成酵素であるかを明らかにする。
トウモロコシにおけるPROGの雌花雄性化作用の投与実験による証明実験:これは継続課題であるが,今年度はts2変異体のアリルであるts2 P1rr変異体を用いることとする。その理由はts2 P1rr変異体は頂花が完全にメス化しており、プロゲステロンを投与した時に、オス花に転化するかを認識しやすいからである。昨年使ったts2-N2491変異体では変異が完全でなく、頂花の数分の一がオス花であったので、プロゲステロンの効果を見るのに適しているとは言えなかった。しかしながら、ts2 P1rr変異体についてもその変異の部位は明らかでないので,クローニングを行ない変異部位を明らかにした上で、PCRに基づくts2変異体の認識手法を確立する。その上にたって,ts2 P1rr変異体を選抜しプロゲステロン投与実験を行なう。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当初予定していた物品費が業者の値引き等によって減額された為、次年度使用額が生じた。
次年度は人件費が10%程度増加することおよび消費税の増税による経費の増額が見込まれるので、次年度使用額はこれらの事態に対処する為に主として使う予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 重水素化プロゲステロンおよび関連する重水素化誘導体の合成2013

    • Author(s)
      内田健一、 横田孝雄
    • Organizer
      植物化学調節学会
    • Place of Presentation
      新潟大学
    • Year and Date
      20131031-20131101
  • [Presentation] 高等植物におけるプロゲステロンの生合成と代謝2013

    • Author(s)
      湯本絵美、柴田恭美、内田健一、横田孝雄
    • Organizer
      植物化学調節学会
    • Place of Presentation
      新潟大学
    • Year and Date
      20131031-20131101

URL: 

Published: 2015-05-28  

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