2012 Fiscal Year Annual Research Report
未利用バイオマスの完全酵素糖化を目指したβ-グリカナーゼ新規アッセイ法の開発
Project/Area Number |
24380089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五十嵐 圭日子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (80345181)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | セルラーゼ / キチナーゼ / バイオマス / 糖化 / グリカナーゼ |
Research Abstract |
セルロースやキチンは未利用バイオマスの主成分であり、食料と競合しない次世代の炭素源として有効利用が望まれている。これらは、β-グリコシド結合を有する不溶性多糖であることを共通の特徴として有していることから、いかにβ-グリコシド加水分解酵素(β-グリカナーゼ)を固液界面で効率良く働かせるかが、未利用バイオマスを高効率に変換するための鍵であると言える。そこで本研究では、高速原子間力顕微鏡を用いて固液界面におけるβ-グリカナーゼの挙動を定性的・定量的に評価し、未利用バイオマスの糖化という次世代の生化学的プロセスを高効率化するためのストラテジーを構築する。 平成24年度は、高速原子間力顕微鏡を用いて様々なセルラーゼの一分子観察を行った。上述のように、応募者は結晶性セルロースを分解するセルラーゼとしてCBHIの観察に成功しているが、本研究の初年度ではCBHIとは異なる分解機構が推測されているセロビオヒドロラーゼII(CBHII)や、糸状菌が生産する他の様々なセルラーゼに関しても高速原子間力顕微鏡を用いて観察することを試みた。この実験を行うためには、それぞれの酵素において活性を有しない不活性型の酵素や、セルロースへの結合力を変化させた変異酵素などを調製しなければならないが、応募者はすでに平成15~16年度の科学研究費補助金(若手研究(B))において、メタノール資化性酵母を用いたタンパク質の大量生産、および部位特異的変異の導入を成功させており、本研究ではその成果を応用してサンプルの調製を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は主にセルラーゼの観察を行うことを主眼としてきたが,PcCel6AおよびPcCel45Aの観察に成功していることから,計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度以降は,キチナーゼの観察に主眼を移していくことから,発現系の構築および生化学的解析などを組み合わせてセルラーゼと同様の観察を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に本予算で雇用予定であった者を雇うことがかなわず,主に人件費・謝金が平成25年度に持ち越された。すでに平成25年度から当該研究のサポートを行う者を雇用し始めており,研究の遂行を行う予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Degradation of crystalline celluloses by Phanerochaete chrysosporium cellobiohydrolase II (Cel6A) heterologously expressed in methylotrophic yeast Pichia pastoris2012
Author(s)
Igarashi, K. , Maruyama, M. , Nakamura, A., Ishida, T. , Wada, M. , and Samejima, M.
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Journal Title
Journal of Applied Glycoscience
Volume: 59
Pages: 105-110
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Visualization of cellobiohydrolase I from Trichoderma reesei moving on crystalline cellulose using high-speed atomic force microscopy2012
Author(s)
4. Igarashi. K., Uchihashi, T., Koivula, A., Wada, M., Klmura, S., Penttila, M., Ando, T., and Samejima, M.
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Journal Title
Methods in Enzymology
Volume: 510
Pages: 169-182
DOI
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