2012 Fiscal Year Annual Research Report
健康増進効果を切り口とした高機能性スギ精油の調製と機能解析
Project/Area Number |
24380096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
清水 邦義 九州大学, 農学研究院, 助教 (20346836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光永 徹 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (20219679)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スギ / 精油 / 香り / 生理 / 心理 / 減圧式マイクロ波水蒸気蒸留法 / モノテルペン / 枝葉 |
Research Abstract |
スギは材部、葉部ともに、ヒトへの健康増進効果が期待できるものテルペンを中心とした精油香気成分を多く含む。下記((1)、(2)、(3))のアプローチによりスギ精油の付加価値の高い機能性を見出し、産業・学術的イノベーションを目指した。(1)減圧式マイクロ波水蒸気蒸留装置を用いてものテルペン高含有の高機能性スギ精油調製条件を確立する。(2)高機能スギ精油に対して、動物を用いた抗肥満効果、ヒトを用いた生理・心理応答変化評価を探索的に実施し、付加価値の高い健康増進効果を見出す。(3)(2)の評価系を指標に、高機能スギ精油に含有される機能性成分を同定する。このような条件のもと、平成24年度は、特に、(1)、(2)を中心に検討を行った。 (1)減圧式マイクロ波水蒸気蒸留装置を用いたスギ精油の調製・GCMS分析:飫飲肥スギの枝葉に着目し、減圧式マイクロ波水蒸気蒸留装置により、モノテルペン高含有精油を調製した。特に、温度条件、マイクロ波の照射条件等を、調整し、効率よく、モノテルペン高含有精油の調製が可能となった。 (2)ヒトを用いた持続的注意力低下抑制効果評価・生理心理応答評価:スギ精油由来の香気成分の濃度を制御した香り提示装置を用いてヒトに吸引させ、オドホール課題による事業関連電位(ERP)に及ぼす影響、脳波、心電図、近赤外線分光法、を用いた生理応答、POMSならびにアンケート調査による主観評価を行う実験系を構築した。本検討によりスギ精油香気成分のヒトに及ぼす影響の定量的解析が可能であり、次年度以降、上記(1)で調製した減圧式マイクロ波水蒸気蒸留装置を用いて調製したスギ精油のヒトへの影響を、別途調製した従来の水蒸気蒸留法による精油での比較を行う。生理・心理応答の違いと、含有成分プロファイルの違いから、機能性成分を推定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに減圧式マイクロ波水蒸気蒸留装置を導入し、稼働させることにより、精油調製に成功した。さらに、当初の予定通り、被験者実験系を構築することに成功し、次年度での詳細なスギ精油香気成分のヒトへの影響解析研究に弾みをつけることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に、減圧マイクロ波水蒸気蒸留装置を導入し、モノテルペン高含有精油調製法ならびに被験者実験評価系の確立を行った。すなわち本プロジェクトの土台となるモノテルペン高含有精油調製ならびに、生理・心理応答を鋭敏に反映した評価系の確立に成功した。25年度は、通常の方法で調製した精油ならびに、減圧マイクロ波水蒸気蒸留装置を用いた被験者実験〓行うことによって、生理・心理応答と精油含有成分プロファイルの関係を明らかにしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度においては、24年度に減圧マイクロ波水蒸気蒸留装置にて調製したモノテルペン高含有精油、また、その残さを水蒸気蒸留によって、調製した精油、ならびに、最初から通常の水蒸気蒸留により調製した精油を用いて、ヒトを用いた生理・心理応答実験を中心に検討する。そのために被験者謝金や実験補助者への人件費を計上している。
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Research Products
(6 results)