2014 Fiscal Year Annual Research Report
犬における内臓リーシュマニア症の病態解明と原虫存続機構の分子基盤
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24380163
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
片倉 賢 北海道大学, (連合)獣医学研究科, 教授 (10130155)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 感染症 / 獣医学 / 犬 / 寄生虫 / 内臓リーシュマニア症 / 制御性T細胞 / 病態 / エキソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、まず、P2レベル感染動物施設内で感染させたビーグル犬3頭を原虫接種後8ヶ月まで経過観察と免疫学的解析を継続したのち剖検した。結果として、原虫接種に伴う体重減少は3頭とも認められなかった。貧血や血小板減少は認められず、また、生化学的検査結果にも特に異常は認められなかった。血液と肝臓生検材料のPCR検査はいずれも陰性であった。末梢血液中のCD4+ CD25+ Foxp3+細胞(Treg)数にも目立った変化は認められなかった。肝臓生検材料の組織学的検査においても特に異常は認められなかった。剖検時の肝臓と脾臓を磨砕して3週間培養したが、原虫を分離することはできなかった。しかし、血清のウエスタンブロット解析では、3頭すべてにおいて原虫接種後1ヶ月から剖検時の8ヶ月まで約90 kDaの抗原に対する抗体産生が認められた。以上、ビーグル犬を用いた原虫接種実験では、リーシュマニア原虫が生存・存続している確実な証拠を得ることができなかった。しかし、特定のタンパク質に対して8ヶ月という長期にわたり抗体を産生していることが明らかとなった。次に、L. donovaniを培養し、培養液に放出される原虫由来エキソソームを回収し、エキソソームに含まれるタンパク質について飛行時間型質量分析装置とデータベースを用いて同定を試みた。その結果、26種類のタンパク質リストが得られ、11種類は既知のリーシュマニアのエキソソームタンパク質と一致したが、残りの15種類はこれまで報告のないタンパク質であった。今後、さらなる解析によって、リーシュマニア原虫のエキソソームタンパク質のイヌ・リーシュマニア症における役割が明らかになることが期待される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)