2012 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復におけるクロマチンと細胞核の機能:アクチンファミリーによる解析と展開
Project/Area Number |
24380183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 昌彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (70218642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 邦史 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90211789)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アクチンファミリー / アクチン関連タンパク質 / 細胞核 / クロマチン / DNA修復 |
Research Abstract |
DNA複製フォークの停止や、放射線などによるDNA損傷は、ゲノム情報欠失や細胞がん化を引き起こすことが知られている。遺伝子の発現に加え、DNA修復の進行もまた、クロマチンや細胞核構造を基盤としたエピジェネティック制御を受けるが、その分子機構の理解は著しく遅れている。我々は、アクチンファミリーメンバーであるアクチン関連タンパク質(Arp)が、ATP結合を介した「分子スイッチ」として、DNA修復におけるエピジェネティック制御に関わることをこれまでに見出している。本研究では、DNA修復に必要なクロマチン・細胞核機能構造形成におけるArpの役割を、特にArpの分子スイッチ機能に注目して明らかにすることを目指した。クロマチンリモデラーとして、Arp4,Arp6を含むSWR1複合体と、Arp4,Arp5,Arp8を含むINO80複合体の解析を行った。ヒトゲノムには染色体脆弱部位(chromosome fraglle regions ; CFRs)と呼ばれる欠失や転座の起こりやすい領域が存在している。CFRsの一つであるFRA16D領域を含む酵母人工染色体(YAC)をArp4,Arp5,Arp6あるいはArp8を欠失させた酵母細胞に導入し、その切断頻度やクロマチン構造を解析する。ヒト培養細胞においても、すでにArp5、Arp6,Arp8遺伝子の条件的ノックアウト(KO)細胞株をすでに樹立している。これらの遺伝子KOヒト培養細胞を用いて、内在性のFRA16Dや他のCFRsの安定性やクロマチン構造を解析した。その結果、これらのアクチン関連タンパク質が、損傷DNAのクロマチン構造および核内配置決定を介して、ゲノム安定性維持に関与することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アクチンファミリーのノックアウト細胞を用いて、これらがエピジェネティック制御の分子スイッチとして機能している可能性を示すことができた。今後、このノックアウト細胞をモデル系として、この分子スイッチ機能が、ゲノム安定性維持に果たす機能をさらに詳しく解析する。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度からの研究をさらに進展させると共に、以下の研究を実施する。SWR1-Cに含まれるArp4、Arp6、およびINO80-Cに含まれるArp4,Arp5,Arp8は、それぞれの複合体の機能に必須な構成因子である。これらの核内ArpのATP結合部位に変異を導入した出芽酵母からクロマチンリモデラーを精製する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度は、アクチンファミリー遺伝子ノックアウト細胞で、新規な表現型が観察されたため、それに関連した遺伝子の同定に予想よりも時間を要した。次年度は、このように同定した遺伝子の発現解析をより詳細に行うために、翌年度の研究費と合わせてこれを用いる。
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Research Products
(25 results)