2012 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質内包光開裂性ナノ粒子を用いた細胞内タンパク質の制御と病態モデルの構築
Project/Area Number |
24390007
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Section | 一般 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 大 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 准教授 (30332943)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | タンパク質 / 光 / 細胞 / 病態モデル / ナノ粒子 |
Research Abstract |
研究代表者は、タンパク質を光開裂性ナノ粒子に内包することで、不活化した状態で細胞内に導入し、光照射によりタンパク質を放出させ機能させることに成功した。本ナノ粒子を利用することで様々なタンパク質について細胞内で機能発現する「場所」、「タイミング」を光によって非侵襲的に制御することに成功した。本研究提案では、代表者が開発したタンパク質を内包した光開裂性ナノ粒子の改良と、本ナノ粒子を用いた細胞内タンパク質の制御を目標にしている。 今年度は、光刺激で機能発現するタンパク質の「数量」制御を実現するために、ナノ粒子の粒子径及び、光照射によってナノ粒子から放出されるタンパク質の数量について調べた。ナノ粒子調製時の試薬濃度や反応温度などの条件を詳細に検討し、粒子径に影響を与える因子を明らかにした。その結果、モノマー濃度や調製溶液のイオン強度が、ナノ粒子の粒子径に大きな影響を与えていることが分かった。そして20nmから200nmの範囲で、目的の大きさのナノ粒子を調製することが可能になった。次に、光照射によって、20nmのナノ粒子から放出されるタンパク質の数量を測定した。その結果、放出量は、ナノ粒子の調製溶液のタンパク質濃度に比例していることが分かった。 タンパク質を内包する網目構造について検討を行った結果、網目内の化学結合によって形成される架橋点を増加させ網目構造の間隔を細かくするよりも、網目構造の濃度を高くすることで、タンパク質の機能制御がより正確に行えることが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タンパク質の機能制御の解明など、目標をおおむね達成しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
申請書に記載した計画通り、タンパク質を内包した光開裂性ナノ粒子を用いて細胞内のタンパク質濃度の調整を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ナノ粒子の調製条件の最適化とナノ粒子による細胞応答の解析のための試薬等、消耗品の購入。
|
Research Products
(6 results)