2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24390050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鳥居 征司 群馬大学, 生体調節研究所, 准教授 (40312904)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ペプチドホルモン / 分泌顆粒 / 細胞内輸送 / 細胞内分解 |
Research Abstract |
いわゆる成人疾患においては多くの神経内分泌器官でホルモン産生能の低下が起こり、これにはホルモン生合成の低下のみならず細胞内輸送や分解機構の関与が示唆されている。ペプチドホルモンを含有する分泌顆粒に局在するフォグリン蛋白質は、神経内分泌細胞の基本的機能を担うことが示唆され、細胞内輸送や分解機構への関わりを通じてホルモン分泌能の安定維持を果たしていることが予想されている。本研究では組織特異的遺伝子欠損マウスから作製した種々の内分泌細胞を使用し、ホルモンの細胞内動態をイメージングしてフォグリンの生理機能を明らかにする。研究の遅れているホルモン安定化機構の解析は、生活習慣病や加齢に伴う疾患の理解に貢献する。 本年度はまず、ホルモンの細胞内動態をイメージングする新たな解析技術を開発した(PLoS One, 2012)。インスリンにマルチタグを連結したコンストラクトを膵β細胞に発現させたのち、赤色蛍光のタグ結合プローブと緑色蛍光プローブを順次ラベリングすることで、新旧合成インスリンを可視化した。この細胞におけるインスリン分泌を解析した結果、細胞内深部に位置する新規インスリンが優先してグルコース応答分泌を起こしていることを明らかにした。次にフォグリン遺伝子の過剰発現やノックダウンによりその効果を解析したところ、インスリンの動態・分泌に与える大きな効果は観察されなかったが、インスリン受容体への直接結合を通してオートクライン作用の維持に機能していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞レベルの実験においては、予定した新規解析法の構築に成功し、予想と異なる結果もあったが着実に結果が得られている。またマウスを使用した個体レベルの実験は、ライン構築等に時間を要することは予期していたことであり、次年度の解析に向けた準備が概ね整った。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた遺伝子欠損マウスを使って、対象とする細胞の不死化による培養系を確立し、個体レベルと細胞レベルの両面からの解析を進めていく。当初の研究計画の変更はなし。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞培養、免疫組織化学実験、マウス管理などに使用する消耗物品の効率化を進めた結果、当該助成金が生じた。これを使用して、マウスの精子や受精卵の凍結など不測の事態を考慮したバックアップを行う予定である。
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Research Products
(7 results)