2012 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化性疾患のリスク評価における感受性遺伝子の交絡解明とエビデンス構築
Project/Area Number |
24390084
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
三木 哲郎 愛媛大学, プロテオ医学研究センター, 教授 (00174003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 康玄 京都大学, 医学系研究科, 准教授 (00268749)
上島 弘嗣 滋賀医科大学, 生活習慣病予防センター, 特任教授 (70144483)
大久保 孝義 滋賀医科大学, 医学系研究科, 准教授 (60344652)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / 長期縦断疫学研究 / ゲノム / 動脈硬化性疾患 |
Research Abstract |
コホートの拡大と疾患発症追跡調査 愛媛大学病院で申請者らが実施する抗加齢ドックの利用者を対象に、動脈硬化性疾患等に関する長期縦断疫学研究を継続的に実施している。新たに約250名(再受診者含む)の臨床データを収集するとともに、採血からゲノムDNAを抽出してバンク化した。循環器疾患(脳卒中・心筋梗塞)の追跡調査を行い、90%以上をフォローしている。滋賀地域住民コホート、大迫研究においても、臨床情報の再収集(繰り返し調査等)や追跡調査を予定通り行った。 感受性遺伝子解析 主に横断面解析から、感受性遺伝子と臨床情報との関連を解析した。大脳白質病変に関連するTRIM65遺伝子多型が、認知機能低下に対しては逆に予防的に作用することを見いだし、遺伝子多型と疾患との関連が、必ずしも一意でないことを示した(Eur J Neurol)。新規の感受性遺伝子として、内臓脂肪に関連するTRIB2(Hum Genet)、心電図上のQT時間と関連するSLC8A1(Am J Hum Genet)を国際共同研究から見いだした。動脈硬化性のサイトカインであるレジスチンの濃度がデコリンの遺伝子多型に大きく影響されることを見いだし、レジスチンの受容体がデコリンであることをゲノム疫学的に証明した(Diabetes)。申請者らが以前に同定した高血圧感受性遺伝子ATP2B1は、細胞内カルシウム貯留と血管収縮の亢進から高血圧を来すことを明らかにし(Hypertension)、一連の高血圧感受性遺伝子の成果をサマライズした(Hypertens Res)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コホート調査、ゲノム解析を順調に進め、英文原著7報を発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
コホートの拡大、ベースライン調査については、今後も予定通り進める。データの分析については、これまで通り横断面での解析を進め、症例数の蓄積をまって長期縦断的な解析も行う。研究計画に大きな変更はない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
少額の繰り越し経費については、次年度の追跡調査・遺伝子解析に使用する
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