2012 Fiscal Year Annual Research Report
生体イメージングを活用した好塩基球の動態・機能の解明
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24390093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
烏山 一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60195013)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 好塩基球 / 生体イメージング / 細胞遊走 / マスト細胞 / 脱顆粒 |
Research Abstract |
好塩基球特異的に緑色蛍光色素蛋白質(GFP)発現させたマウスの生体イメージング解析から、IgE依存性皮唐1曼性アレルギー炎症反応では好塩基球が他の皮膚浸潤細胞と相互作用している可能性が強く示唆された。皮膚病変部には多数の好酸球が浸潤していることをすでに報告しているが、今回の解析で、浸潤細胞の半数以上がLy6C陽性CCR2陽性の炎症性単球であることが判明した。このことから、血中を循環する炎症性単球がケモカイン受容体CCR2を介して皮膚病変部に遊走して、炎症をひきおこすものと考えられた。 ところが、CCR2欠損マウスを解析したところ、炎症性単球の皮膚への浸潤がまったくおこらないにも関わらず、アレルギー炎症がむしろ増悪するという予想外の事実が明らかとなった。誘導型好塩基球欠損マウスなどを用いた詳細な解析から、(1)皮膚に浸潤した炎症性単球が、活性化した好塩基球が産生するサイトカインIL-4の作用を受けて、2型マクロファージへと分化すること、(2)2型マクロファージが抗炎症作用を発揮して、過剰なアレルギー炎症を抑制・鎮静化すること、が判明した。すなわち、好塩基球はアレルギー炎症を誘導するのみならず、炎症性単球に作用して抗炎症性マクロファージに転換させることで、炎症を終焉に向かわせる働きをもつことが明らかとなった。好塩基球の遊走を可視化するだけにとどまらず、炎症局所に浸潤してきた好塩基球が実際に活性化する様子を可視化するために、細胞の活性化に伴って蛍光を発するシステムを構築している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生体イメージングを応用した好塩基球解析が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
生体イメージングを応用した好塩基球の動態・機能解析を進めるとともに、好塩基球活性化を可視化するシステムを構築し、さまざまな生体反応における好塩基球の役割を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験に必要な器具、試薬、実験用のマウスの購入などに使用する予定である。
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Research Products
(26 results)