2014 Fiscal Year Annual Research Report
わが国の医学部入試の妥当性と将来像に関する多面的国際共同研究
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24390133
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大滝 純司 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20176910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 聖 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10186265)
小林 志津子 東京医科大学, 医学部, その他 (20569602)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 医学教育 / 入学者選抜 / 教育格差 / 社会格差 / シンポジウム / アンケート調査 / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 国際シンポジウムの成果の整理と公開:前年度に実施した国際シンポジウムで検討した内容について、前年度に継続して演者や参加者との議論や検討を行った。その議論や検討の過程も参考にして、シンポジウムの成果を整理し、ホームページなどで公開した。 (2) 日本の医学部入試の現状に関する資料の更新:各種の報告書などを検索することにより、我が国の医学部入試の現状に関する最新の情報を収集し整理した。 (3) 日本の医学部入試の妥当性に関連する全国調査:当研究班での議論や関連する資料の検討を通して、我が国の医学部入試の妥当性に関連する全国調査の具体的な計画を検討した。当初の計画では、非医療者の市民を対象として意識調査を想定していたが、前年度の検討では医療者に変更する方向で検討が進んだ。その後の更なる検討では、そのような対象者では、問題点を掘り下げることが困難であると推測するに至り、対象者を高等学校の進学校の進路指導担当教員に変更すると共に、調査項目について、さらに検討を続けた。この新たに計画した対象者で調査を行う場合には、予備調査として予定していた1次調査の実施が困難であるため、その代わりに関連資料の収集と検討や共同研究者との議論により、全国調査の準備を進めた。 (4) 学会発表:国際シンポジウムの内容について、日本医学教育学会の年次学術集会のシンポジウムおよび、世界家庭医学会アジア太平洋地区学術集会(台湾)で発表し、他の演者や参加者と議論した。 (5)論文発表:国際シンポジウムでの発表の一部を、当研究の研究協力者であり演者を担当した、クライター教授(米国アイオワ大学)と共同で、国際学術誌に投稿し掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際シンポジウムの内容と、そこで明らかになった、医学部入試における教育格差や社会格差の問題について、研究分担者や研究協力者と研究ミーティングやメールなどによるやり取りを通してさらに深く議論し、その内容も含めて、国内の学会と、国際学会で発表することができた。1次調査については、前年度の検討で対象者を医療者に変更する方向で検討が進んだが、更に検討した結果、高等学校の進学校の進路指導担当教員を対象者とすることになった。この場合、1次調査の実施が困難であるため、関連資料の収集と検討や共同研究者との議論により全国調査の準備を進めた。このように調査研究の計画について再度見直しを行ったため、その作業が予定よりも若干遅れたが、研究方法を繰り返し見直すことは、研究当初から研究計画にも含まれており、より妥当性の高い研究成果につながることが期待できる。一方、これらの議論や検討を通して、当初の想定よりも早く、国際学術雑誌に英文論文を投稿し掲載されるという成果が得られた。以上より、全体としては、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究における検討を基に、高等学校の進学校の進路指導担当教員を対象とした全国規模の調査を実施する。また、その結果を国内外の学会や論文で発表する作業を進める。北海道大学の情報システムが更新されるのを機に、平成25年度に実施した国際シンポジウムの成果を公開するホームページを構造や機能を含めて全面的に更新し、さらに拡充するとともに、医学部入試の妥当性に関する国内外の資料等の情報を提供する機能を強化する。それらの情報の多くは、可能な限り日本語に加えて英語でも閲覧できる資料にする。また、この研究をさらに発展させるため、次年度以降に向けて新たな研究チームの構築と研究計画の検討を進める。
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Causes of Carryover |
国際シンポジウムの開催に際して経費の節約に努めたこと、ならびに、1次調査計画の見直しによる調査研究の延期により、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
高等学校の進学校の進路指導担当教員を対象とした全国規模の調査の費用、その結果の集計と解析の費用、国内外の学会や論文での発表の準備の費用や参加費や旅費、研究成果を公開するホームページの更新や機能強化と二ヶ国語(日本語と英語)化の費用などに使用する。
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Remarks |
現在、サーバーの移行などに伴う作業中であり、一時的に閲覧できない状態です。
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Research Products
(4 results)