2012 Fiscal Year Annual Research Report
地域住民を対象とした生活習慣病疫学研究におけるメタボローム・プロファイル解析
Project/Area Number |
24390168
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
武林 亨 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30265780)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽我 朋義 慶應義塾大学, 環境情報学部, 教授 (60338217)
岡村 智教 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00324567)
西脇 祐司 東邦大学, 医学部, 教授 (40237764)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | メタボローム解析 / 生活習慣 |
Research Abstract |
本研究は、omics解析の中でも、実際の生体内の変化を最も鋭敏に表すとされるメタボローム解析技術を地域コホート研究に適用し、疾患発生機序に即したバイオマーカーを明らかにすることによって、環境要因と遺伝要因の相互作用によって発生する生活習慣病の予防疫学研究を新たな段階へと進め、日本人の生活習慣病予防に役立つ新しいエビデンス構築を目指している。今年度は、研究デザインの検討、地域在住一般集団のメタボローム・プロファイルの作成、メタボローム・プロファイルとリスクファクターの関連の検討を行った。研究デザインについては、循環器疾患多死地域である山形県鶴岡市と非多死地域である滋賀県草津市、大阪府吹田市の地域住民の比較を行うこととし、生体試料の収集や分析までの条件確立ため、メタボローム解析を担当する慶應義塾大学先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)で、分担研究者、連携研究者、研究協力者による研究ミーティングを開催した。地域在住一般集団のメタボローム・プロファイルの作成については、山形県鶴岡市での地域住民コホートを立ち上げ(初年度の合計同意者数4062名)、本研究に用いる300名分のCS-MS法による血漿メタボローム解析を行った。メタボローム・プロファイルとリスクファクターの関連の検討については、生活習慣として飲酒習慣を取り上げ、地域在住男性の飲酒習慣の違いが、アミノ酸代謝関連物質を中心として、血漿メタボロームのプロファイルに反映されている可能性が示唆された。また、現在のエタノール摂取量を調整しても、γ-GTPの値と、アミノ酸代謝関連物質の濃度に関連を認めた。過去の飲酒量や、食生活の影響等含め、更に慎重な検討が必要だが、体質と生活習慣を反映するメタボロームが、飲酒習慣と肝障害の関連をより詳細に明らかにする可能性が示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メタボローム解析を疫学研究に適用するための基礎的な検討、CE-MS法による地域住民の血漿メタボローム・プロファイルの作成については、きわめて順調に進展した。現在、LC-MS法による血漿メタボローム解析ならびにCE-MS法による尿中メタボローム解析の条件検討を進めており、全体として順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
LC-MS法による血漿メタボローム解析ならびにCE-MS法による尿中メタボローム解析を用い、異なる地域のメタボローム・プロファイルの作成を進める。あわせて、生活習慣情報の収集も進め、これらをリンケージした生体情報データベースを構築し、データ解析に資する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
生体試料を保管するための超低温冷凍庫の整備が次年度に繰り越しとなったことから、次年度の研究費と合わせてこれを整備し、またさらにメタボローム解析を進める。
|
Research Products
(5 results)