2012 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞インスリン受容体基質の運動時骨格筋糖取り込み、動脈硬化における役割
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24390232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
窪田 直人 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (50396719)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 血管内皮細胞 / インスリン作用 / インスリン抵抗性 / 運動 / 動脈硬化症 |
Research Abstract |
(1)運動時の血管内皮細胞IRSの骨格筋糖取り込み機構における役割について検討する ・血管内皮特異的IRS-1/IRS-2ダブル欠損マウスを用いた検討:運動における血管内皮細胞のIRSの役割の全貌を解明すべく樹立した、血管内皮特異的IRS-1/IRS-2ダブル欠損マウスの血管内皮細胞では、インスリンによるAkt、eNOSのリン酸化がほぼ完全に消失していることを確認した。また反復慢性効果を検討するのではなく、一回の運動負荷後の骨格筋における糖取り込みを速やかに測定するため、ラベルした3H-2DG投与を行うための頚静脈カテと、運動後ストレスなく迅速に採血できるよう頸動脈カテを予めそれぞれ留置したうえで、一定の運動の負荷を行える系を立ち上げた。そして興味深いことに、血管内皮特異的IRS-1/IRS-2ダブル欠損マウスでは運動後の骨格筋における糖取り込みがコントロールマウスに比し有意に低下していることが明らかとなった。 (2)血管内皮細胞やマクロファージIRSの動脈硬化症における役割について検討する ・血管内皮細胞特異的IRS欠損マウスを用いた検討:血管内皮細胞のIRS-1やIRS-2の動脈硬化症における役割を解明するために、血管内皮細胞特異的IRS-1欠損マウス、血管内皮細胞特異的IRS-2欠損マウスに対してカフ傷害モデルを用いて内膜肥厚の程度、肥厚部分の細胞成分や増殖などを検討した。その結果、特に血管内皮細胞特異的IRS-2欠損マウスにおいて内膜増殖に伴う内膜肥厚傾向が認められ、また内膜肥厚部分の細胞成分の大部分が血管平滑筋であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では大きく(1)運動時の血管内皮細胞IRSの骨格筋糖取り込み機構における役割、および血管内皮細胞やマクロファージIRSの動脈硬化症における役割について検討することを目的としているが、いずれも研究テーマにおいても今後の発展につながる新しい知見が出てきており、おおむね順調に進展しており、初年度の研究目標を達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に引き続き、(1)「運動時の血管内皮細胞IRSの骨格筋糖取り込み機構における役割」および(2)「血管内皮細胞やマクロファージIRSの動脈硬化症における役割」について検討をすすめる。
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Research Products
(24 results)