2012 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞ニッチを標的とした新規白血病治療法の開発
Project/Area Number |
24390248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
安藤 潔 東海大学, 医学部, 教授 (70176014)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 白血病幹細胞 / ニッチ / PAI-1 |
Research Abstract |
本研究は白血病幹細胞のニッチを標的とした新規治療法を開発することを目的としている。申請者らは放射線照射後あるいは抗癌剤投与後に骨髄ニッチ領域にplasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)が誘導されることを見出し、われわれが開発したPAI-1阻害剤(TM5275)を投与すると造血幹細胞がニッチより離脱して細胞周期に入ることを確認している。この作用をニッチに存在し治療抵抗性である白血病幹細胞の治療に応用する。具体的には研究期間内に、1)TM5275によるニッチ構成細胞における遺伝子発現変化を解析する、2)マウス白血病モデルでTM5275の至適投与法を検討する、3)ヒト白血病および骨髄異形成症候群モデルマウスでTM5275を併用した新規治療法を開発する。 平成24年度はマウス造血に対するPAI-1阻害薬の作用を検討した。すなわちTM5275を造血細胞移植後のマウスにdayOより4まで投与し、造血再生促進作用を検討するとともに薬剤投与に伴う血中微量タンパクの動態を解析する。造血細胞移植の前処置としてマウスの全身に放射線を照射すると、造血系細胞の死滅とともに、造血環境までもが破壊される。そこで、ヒトHSC移植におけるTM5275投与群と非投与群のニッチ再生と造血系の再構築の相互関係を組織学的に解析することによって、骨髄環境の再生過程の経時的推移の詳細を明らかにした。また、ニッチ再生に関わる分子を同定するために、t-PAによって誘導される線溶系関連遺伝子群、さらに、t-PAによって活性化されるMMP-9とこれによって誘導される造血再生に寄与するサイトカイン類の発現解析を行い、化合物投与による造血再生の分子機序を明確にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでにTM5275によるニッチ構成細胞における遺伝子発現の検索を終え、目的遺伝子を同定しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はヒト白血病および骨髄異形成症候群モデルマウスでTM5275を併用した新規治療法を開発する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度よりも次年度のマウスの使用数が増加することを考慮した。
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Research Products
(21 results)