2013 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪組織幹細胞由来心筋細胞シート移植ー大動物心不全モデルによる前臨床試験ー
Project/Area Number |
24390325
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松宮 護郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20314312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石坂 透 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (10372616)
黄野 皓木 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (40375803)
石田 敬一 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (40375671)
松山 晃文 公益財団法人先端医療振興財団, その他部局等, 研究員 (10423170)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 重症心不全 / 心筋再生療法 / 脂肪組織由来幹細胞 / 細胞シート / 虚血性心筋症 |
Research Abstract |
脂肪組織由来の多能性幹細胞(adipose tissue derived stem cell: ADSC)は、骨髄間葉系細胞(BM-MSC)同様、心筋を含む種々の細胞に分化しうることが示されており、細胞収率の上ではBM-MSCに比べ良好であること、多くの患者で局所麻酔化に容易に細胞採取が行いうるという利点がある。本研究においては前臨床試験としてヒト脂肪幹細胞由来の心筋シートを大動物モデルに移植し実際の心筋再生能を評価する。ブタ虚血性心筋症モデルを作成し、4週間後に経胸壁心エコーにて前壁、中隔のasynergyを確認、左室収縮能および拡張能の評価、さらに梗塞部位の局所心機能をクリスタルを用いて評価した。その結果再現性を持って虚血性心筋症が作成され、また梗塞部位の局所心機能が低下していることが確認された。その後、ADSC由来心筋シートを重層(3層)化して梗塞部位全体を覆うように移植した。現在まででコントロールおよび移植群各3例を作成し経過観察中である。今後3か月の時点で、移植前と同様の評価を行った後犠牲死させ、移植部位のADSC由来心筋細胞およびレシピエント心筋組織を組織学的に解析を行い、ADSCの心筋再生治療における有効性を明確にする。比較的長期の観察を行うことにより心機能改善効果が継続的に得られる否か、心筋細胞の長期生着が得られるか、またそれらが心機能の改善にいかに関与するかを明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通りブタ心不全モデルの作成、心機能評価システムの確立とADSC由来心筋細胞シートの作成に成功しており、おおむね計画通り順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である来年度は移植モデルを長期経過観察し、実際に心機能改善が得られるか、移植心筋が長期にわたり正着しうるか、それが心筋組織と一体化して収縮能の改善に寄与するかを明らかにする。
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