2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24390332
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
横見瀬 裕保 香川大学, 医学部, 教授 (80231728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 奈都美 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (20572853)
劉 大革 香川大学, 医学部, 助教 (30314941)
後藤 正司 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (40398029)
笠井 由隆 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (40610085)
呉 哲彦 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50313656)
奥田 昌也 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (60448355)
中野 淳 香川大学, 医学部, 助教 (80437673)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 乳幼児肺移植 / 再生医療 / サイトカイン / 増殖因子 / DDS |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度までに基礎実験を概ね終了している。概要は成犬の片肺全摘を行い、右主肺動脈、上肺静脈を血管鉗子でクランプ、右主気管支をクランプし肺葉移植が解剖学的に可能であることを確認した。また摘出した片肺からA6, V6, B6を確認してS6グラフトを作製し、胸腔内に自家移植する実験を行い、技術の向上を図った。S6グラフトの作製を左右5回行ったが、イヌは右側に縦隔葉があり肺静脈の処理に工夫がいるなど、左側に比べ難解であることも確認した。次に研究費で購入した拡大鏡を使用し、子犬を用いて微細な血管の吻合実験を行った。これにより径の細い肺動脈、肺静脈の吻合技術の向上を図った。その後、成犬から摘出したS6グラフトを片肺全摘を行った子犬の胸腔内へ移植する実験を行った。これらの実験を計10回行い、移植手技の向上を図った。また本実験で使用するサイトカイン徐放ゼラチンビーズの作製も行った。bFGFは気腫肺に細血管、肺胞が再生され、酸素化能・呼吸機能が改善することが報告されている。低分子ヘパリンは周囲細胞からのHGF放出を促し、アポトーシス抑制や細胞遊走促進に寄与することが報告されている。さらにGCSFは骨髄幹細胞の局所へのリクルートを促進する。 平成26年度は実際に、成犬から摘出したS6グラフトを、片肺全摘を行った子犬の胸腔内への移植を行い、移植後肺動脈から作製したサイトカイン徐放ゼラチンビーズを投与した。術後の免疫抑制はFK506で行い長期生存を試みたが、成犬から摘出したS6グラフトが小さかったためか胸腔内に死腔が多く残存し、後出血や胸腔内感染による手術関連死亡により長期生存が得られない状況が続いた。そのため移植するグラフトをS6から下葉に変更し、胸腔内死腔を減少させることに成功した。現在は変更した術式で、長期生存実験を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画ではS6グラフトを移植する予定であったが、この術式ではグラフトが小さいためか胸腔内に死腔が多く残存し、後出血や胸腔内感染による手術関連死亡により長期生存が得られない状況が続いた。そのため移植するグラフトをS6から下葉に変更し、胸腔内死腔を減少させることに成功した。この術式変更により、やや当初の予定よりは遅れたが現在は順調に長期生存実験を継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
移植技術は向上してきており、子犬への部分肺移植実験は可能となった。 実際にサイトカイン徐放ゼラチンビーズを用いた子犬への部分肺移植実験を継続し、計画した研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
基礎実験を終え本実験に入ったが、手術関連死亡により長期生存が得られなかったため、手術術式の変更を余儀なくされた。この遅れにより、子犬および物品購入費を含む本実験用の費用などが次年度使用額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
術式変更により問題は解決されており、今後は複数の子犬ビーグルおよびその他の必要な機材を適宜購入して本実験を完遂させる予定である。
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