2012 Fiscal Year Annual Research Report
筋・骨格形成および造血におけるシェディングの機能解析
Project/Area Number |
24390358
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
堀内 圭輔 慶應義塾大学, 医学部, 特任講師 (30327564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依田 昌樹 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (30464994)
東門田 誠一 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (40415237)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | TACE/ADAM10 / 骨代謝 / 造血制御 |
Research Abstract |
種々の膜型蛋白質は細胞膜上に発現したのち,蛋白質分解作用を受け,可溶型蛋白質として放出されることが知られている.この現象はectodomain sheddingと呼ばれ,様々な生命現象に深くかかわっていることが解明されつつある.TACE並びにADAM10はこのectodomain sheddingの中心的な役割を担う酵素であり,研究代表者はこれまで,TACEおよびADAM10遺伝子改変動物の解析を通して本酵素が造血・皮膚・骨など多くの組織・臓器の機能維持にかかわっていることを明らかにした.本研究でプロジェクトでは骨代謝および造血制御に重点を置いて解析を行っている.H24年度は主に以下の研究成果を得た.1)TACEの活性制御メカニズムはTNFαの活性を制御する上でも重要な問題であるが,未だ不明な点が多く残されている,従来はTACEの蛋白質発現レベルとその活性には正の関係があるとされていたが,TACE過剰発現マウスの解析から,これまでの仮説と異なり,TACEの活性は蛋白質発現レベルとは独立していることを示した(Yoda et al.PloS One).2)ectodomain sheddingは個体発生の様々な局面で機能することがこれまでの研究から明らかになっているが,骨成長に関する知見は極めて限られていた.TACEを軟骨細胞特異的に欠損した遺伝子改変動物の解析を通して,TACE-EGFRシグナリングがosteoprotegerin,RANKL,MMP13の発現を制御し,間接的に石灰化した成長軟骨板の吸収を制御することを明らかにした.またTACE-EGFRシグナリングを欠損した結果,長管骨の成長障害をきたすことを動物モデルで示した(Saito et al.PloS One).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の主目的はTACE並びにADAM10の造血制御と骨代謝における機能解析であるが,研究発表に記されているようにH24年度は3本論文を発表しえた.動物モデルを利用した研究は継続中であり,すでにいくつか興味深い知見が得られている.これらも本研究プロジェクト期間中に論文を発表予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
軟骨細胞・筋肉細胞におけるectodomain sheddingの機能を解明するため,引き続きモデルマウスの作成とその解析を行う予定である.造血制御に関しては,モデルマウスを利用しG-CSFの産生細胞の同定を目標としている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた試薬予算より若干安価で購入ができたため,24年度の研究費に未使用額が生じたが,25年度の物品購入予算に充当する予定である.
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Research Products
(11 results)