2014 Fiscal Year Annual Research Report
筋・骨格形成および造血におけるシェディングの機能解析
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24390358
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
堀内 圭輔 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (30327564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依田 昌樹 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30464994)
東門田 誠一 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40415237)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 筋代謝 / 骨代謝 / ADAM10 / ADAM17 / 小胞体ストレス応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
種々の膜型タンパク質は細胞膜上に発現した後,タンパク質分解作用を受け,可溶型タンパク質として放出されることが知られている.この現象はectodomain sheddingと呼ばれ,様々な生命現象に深く関わっていることが解明されつつある.本研究課題ではADAM10およびADAM17を中心に,骨代謝,筋代謝分野におけるectodomain sheddingの機能解明を目指し研究に従事している.またこれに併せ,分泌タンパク質全版の品質管理と細胞内恒常性維持に必須の機構である小胞体ストレス応答機構の骨代謝における機能解析を行っている. 26年度には主に以下の研究成果を得た.1.ADAM10を筋衛星細胞特異的に不活化したマウスを作成し,このマウスが筋損再生能に著しい障害を有することを明らかにした.本遺伝子改変マウスでは筋衛星細胞のNotchシグナリングが低下しており,その結果,筋衛星細胞の未分化状態を維持できなくなり,筋芽細胞に分化してしまうことを見出した.実際,本遺伝子改変マウスでは筋衛星細胞がほぼ完全に消失しており,このことからADAM10が筋衛星細胞の未分化状態を保つのに必須の分子であることが明らかとなった.現在論文投稿中である.2.感染や自己免疫疾患の炎症反応に中心的な機能を担うサイトカインであるIL-1には2種の受容体(IL1R,IL1R2)が存在するが,ADAM17が選択的にデコイ受容体であるIL1R2を切断し,IL-1シグナルを正に制御していることを明らかにした.3.小胞体ストレスが破骨細胞分化過程において一過性に活性化され,その小胞体ストレス応答にて破骨細胞分化に必須の転写因子であるNFATc1の転写が制御されていることを明らかにした.現在論文投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り遺伝子改変動物が作成されており,筋代謝,骨代謝におけるectodomain sheddingの機能に関し興味深いデーターが得られつつある.平成27年度も複数の論文発表が期待される.また本研究課題である分泌タンパク質の機能調節から派生した研究として,小胞体応答に関する研究も行っているが,本プロジェクトに関しても新規性の高いデーターが得られており,次年度内の論文発表を目指している.また,共同研究で行っている皮膚におけるADAM17の機能解析においても,ADAM17の欠損にて皮膚の常在菌のバランスが崩れアトピー様の皮膚炎を発症することを明らかにし,論文報告した(Immunity, in press).
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Strategy for Future Research Activity |
作製した遺伝子改変動物の解析を進め,順次論文発表する.上述したようにADAM10による衛星細胞の分化制御に関しては,筋損傷の治療標的となりうるか評価し,さらなる研究のシーズとなりうるか検討したいと考えている.平成27年度はこれまでの研究結果を論文・学会で発表することに重点を置くとともに,現在進行中である研究から,さらに発展しうるシーズを見極め来年度以降の研究に向け予備的な検討を行う予定である.
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Research Products
(8 results)