2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規の抗癌免疫活性化タンパク質による革新的前立腺癌治療法の確立
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24390368
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
那須 保友 岡山大学, 大学病院, 教授 (20237572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
賀来 春紀 岡山大学, 大学病院, 講師 (60346426)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | サイトカイン / 前立腺癌 / STAT / 癌免疫 |
Research Abstract |
これまでの我々の研究により、REIC/Dkk-3タンパク質は特定の末梢血免疫細胞を樹状細胞様細胞に分化誘導し、抗腫瘍効果を発揮することが明らかとなっている。このことは、REIC/Dkk-3タンパク質が抗癌サイトカイン様作用を有することを示している。我々は、タンパク質としてより安定な製剤として使用できるREICタンパク質の機能領域を、17kDa REICタンパク質として分離・精製することに成功した。また、担癌マウスモデルを用いた実験により、17kDa REICタンパク質は生体内において、細胞傷害性T細胞等の癌免疫担当細胞を活性化させて抗癌効果を示すことが明らかとなっている。本年度の研究では引き続き、REIC/Dkk-3タンパク質の有するこの新たな抗腫瘍効果発現の機序ならびにサイトカインとしての機能の詳細を解明し、前立腺癌における新規タンパク質療法へと展開することを目標として、基盤研究を実施した。また、ヒト前立腺癌由来の癌細胞株と末梢血由来の単核球とを精製REIC/Dkk-3タンパク質存在下で共培養することにより、癌細胞増殖がどのように影響されるかを解析した。併せて、癌細胞自身に精製REICタンパク質を添加することにより、細胞内の各種のKey分子がどのような発現動態を示すのかを解析した。これらの研究結果により、REIC/Dkk-3タンパク質は免疫担当細胞そのものを活性化させると同時に、当該免疫細胞から抗腫瘍効果を有する液性因子を分泌させることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究実施により、REIC/Dkk-3タンパク質は免疫担当細胞を活性化させると同時に、当該免疫細胞から抗腫瘍効果を有する液性因子を分泌させることが明らかとなった。すなわち、REIC/Dkk-3タンパク質の有する抗腫瘍効果ならびにサイトカインとしての作用が内因性サイトカインにより増強されている可能性が示唆される。この点についても、引き続き解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
野生型マウスおよびREIC遺伝子のノックアウトマウスを解析する為に、マウスのREICタンパク質を特異的に同定できる抗体を作成・入手する予定である。これらマウスの各臓器での発現パターンを解析することにより、全長REICタンパク質および17kDa REICタンパク質のサイトカイン様作用についての知見を深化させることが可能となる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定より物品を安く購入できたため、未使用額が生じた。 平成26年度は、平成26年度支払い請求分に本年度未使用分を宛がい、引き続き研究計画に基づき有効に適正に使用する。
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Research Products
(1 results)