2014 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠高血圧症候群の分子病態におけるマイクロRNAの役割解明と新規予知因子の開発
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24390383
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
瀧澤 俊広 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90271220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大口 昭英 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10306136)
竹下 俊行 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60188175)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 産科学 / 妊娠 / 胎盤 / micro RNA / 妊娠高血圧腎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)妊娠高血圧腎症(PE)胎盤の分子病態におけるmiRNAの役割解析:(1)19番染色体上にクラスターを形成している胎盤特異的miRNAのプロモーター領域(Noguer-Dance et al. Hum Mol Genet 19: 3566-3582, 2010)の解析を引き続き行った。栄養膜細胞株(BeWo細胞)を用いてプロモーター活性を検討してみると、この領域に含まれている47塩基よりなる15回の繰り返し配列より上流部位の約100塩基の配列がプロモーターの主要部位であることを確認するとともに、これ以降の繰り返し配列がプロモーター活性に影響を与えることを見出した。
2)PE妊婦(母体血管内皮細胞などの母体細胞)における胎盤由来miRNAが及ぼす影響解析:母体細胞への影響解析の一環として、in vitroでのモデル実験、および妊婦末梢血natural killer(NK)細胞での胎盤特異的miRNAのエクソソームを介した取り込みと標的遺伝子の発現解析を行った。BeWo細胞(ドナー細胞)由来エクソソームを添加したJurkat細胞(レシピエント細胞)において、胎盤特異的miRNAが検出可能であった。胎盤特異的miRNA の1つであるmiR-517a-3pがPRKG1遺伝子を標的遺伝子であることを同定した。さらに、妊婦末梢血の解析から、分娩直前の妊婦末梢血より分離したNK細胞においてmiR-517a-3pが検出されたが,分娩4日後には消失していた。逆に、NK細胞におけるPRKG1の発現は分娩前後で逆相関していた。胎盤は、エクソソーム中の胎盤特異的miRNAを介して母体末梢血中のNK細胞の遺伝子発現を微調整し、その機能に影響を与えている可能性が示唆された。
3)miRNAを基盤としたPE予知因子の開発:妊婦血液中の新たなPE関連miRNAおよびその標的分子のコホート研究のためのサンプル採取:前年度に引き続き、サンプル採取を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
In vivo解析用のPEモデルマウスの作製としてレンチウイルスによるPEモデルマウスを作製するための予備実験を継続して行っているが、必要な手技(胚盤胞への特異的遺伝子導入や導入胎盤の組織化学的評価)の精度向上に時間がかかり遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れはあるが着実に進展しているので、計画に沿って研究を進める予定である。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Extravillous trophoblast cell invasion is promoted by the CD44-hyaluronic acid interaction2014
Author(s)
Hironori Takahashi, Takami Takizawa, Shigeki Matsubara, Akihide Ohkuchi, Tomoyuki Kuwata, Rie Usui, Hisanori Matsumoto, Yukiyasu Sato, Hiroshi Fujiwara, Aikou Okamoto, Mitsuaki Suzuki, Toshihiro Takizawa
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Journal Title
Placenta
Volume: 35
Pages: 163-170
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Human exosomal placenta-associated miR-517a-3p modulates the expression of PRKG1 mRNA in Jurkat cells2014
Author(s)
Saori Kambe, Hiroshi Yoshitake, Kazuya Yuge, Yoichi Ishida, Md. Moksed Ali, Takami Takizawa, Tomoyuki Kuwata, Akihide Ohkuchi, Shigeki Matsubara, Mitsuaki Suzuki, Toshiyuki Takeshita, Shigeru Saito, Toshihiro Takizawa
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Journal Title
Biol Reprod
Volume: 91
Pages: 129
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] CD44を介した絨毛外栄養膜細胞の浸潤調節機構の解明2014
Author(s)
高橋宏典, 弓削主哉, 松原茂樹, 大口昭英, 桑田知之, 薄井里英, 松本久宣, 佐藤幸保, 藤原浩, 岡本愛光, 瀧澤俊広, 鈴木光明
Organizer
第66回日本産科婦人科学会学術講演会
Place of Presentation
東京国際フォーラム (東京)
Year and Date
2014-04-18 – 2014-04-18
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