2013 Fiscal Year Annual Research Report
難治性子宮内膜癌の治療戦略~高分子ミセルを用いたEMT制御を目指した治療の開発~
Project/Area Number |
24390384
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
大道 正英 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10283764)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 晃子 大阪医科大学, 医学部, 講師 (70454543)
林 正美 大阪医科大学, 医学部, 助教 (00551748)
田中 良道 大阪医科大学, 医学部, 助教 (10625502)
恒遠 啓示 大阪医科大学, 医学部, 助教 (70388255)
金村 昌徳 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40298782)
山下 能毅 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (50268207)
寺井 義人 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (90278531)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | EMT / 子宮内膜癌 / ミセル / CD24 |
Research Abstract |
子宮内膜癌の浸潤・転移に重要な上皮・間葉形態転換 (Epithelial-Mesenchymal Transition: EMT) 現象の制御を目指し、EMT化細胞の表現マーカーに対する抗体を外郭に結合させた抗癌剤内包高分子ミセルを作成し、EMT化細胞を標的とするドラッグデリバリーシステムの開発が目的である。具体的にはCD24抗体を外郭に結合させた抗癌剤内包高分子ミセルを作成し、子宮内膜癌モデルマウスに投与し、その抗腫瘍効果・薬物臓器親和性・副作用を明らかにするだけでなく、抗腫瘍メカニズムの分子生物学的検討も行ない、将来の臨床応用へ近づけることを本研究の目的とする。 平成25年度では、EMTの表面マーカーCD24に着目している。CD24陽性細胞は幹細胞と間葉系細胞の性質を合わせもち、腫瘍形成能にすぐれていることが報告されているが、子宮内膜癌においても予後不良因子として臨床的に示してきた(Cancer Biol Ther. 2013;14(1):13-9)。また卵巣癌、内膜癌を用いた我々のpreliminaryな検討により、CD24陽性細胞はEMT特異的表現型 (E-cadherinの減少、Snail, Slugの増加)を示しており、cisplatin耐性であった。以上より、CD24は卵巣癌、子宮内膜癌における浸潤・転移に関するEMTマーカーとして利用できる可能性があると考えており、CD24抗体を外郭にもったシスプラチン内包高分子ミセルを作成し、卵巣癌モデルマウス、および子宮内膜癌モデルマウスに投与した。マウスをイソフルレンで安楽死させ解剖し、抗腫瘍効果の検討をおこなった。 すると、CD24陽性腫瘍の腹腔内播種モデルマウスに対する治療において、vehicle群、シスプラチン群と比較し、CD24-シスプラチンミセル群はOSの有意な延長を認めた。シスプラチン耐性のCD24陽性細胞腫瘍への抗腫瘍効果が明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CD24抗体付帯のシスプラチン内包ミセルの作成と、癌モデルマウスへの投与実験に着手し、ミセルの薬物効果を示すことができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
in vivoにおけるCD24シスプラチン内包ミセルの副作用実証を行なう。シスプラチンの臓器集積性の比較や、腎毒性の比較、腫瘍集積性の相違を検討し、臨床検討へのステップにしたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今回使用した抗体、キット製品の改良により比較的高額ではなかったため 次年度は、さらに細胞株の購入、siRNA導入のためのウイルス培養、モデルマウス作成に使用する計画である。
|