2012 Fiscal Year Annual Research Report
Auditory Neuroppathyの新規原因遺伝子の解明
Project/Area Number |
24390391
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
松永 達雄 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究), 聴覚・平衡覚研究部・聴覚障害研究室, 室長 (90245580)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
務台 英樹 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 聴覚・平衡覚研究部・聴覚障害研究室, 研究員 (60415891)
鈴木 直大 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 聴覚・平衡覚研究部・聴覚障害研究室, 研究員 (90611195)
宮 冬樹 独立行政法人理化学研究所, 統計解析・技術開発グループ情報解析研究チーム, 研究員 (50415311)
工藤 純 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80178003)
清水 厚志 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30327655)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 遺伝子 / 医療・福祉 / ゲノム / 脳神経疾患 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
Auditory Neuropathy(AN)は新しい難聴の疾患概念であり、外有毛細胞機能が正常、聴性脳幹反応が異常、言語聴取力が低いという特徴を有する。これまで我々は日本人の先天性ANではOTOF遺伝子変異の頻度が高いことを見出した。本研究では、通常のシークエンス法でOTOF遺伝子変異が同定されなかったAN家系での原因解明を目指す。まずエクソン単位での欠失を検索するために、MLPA法を用いたcopy number variationの評価法を確立した。次いで、Otoferlin蛋白質と複合体を形成して働くSNAP25、Syntaxin-1、Synaptobrevinの直接シークエンス法を確立した。さらに新たに発見されたAN遺伝子であるDIAPH3遺伝子の直接シークエンス法を確立した。既知の難聴遺伝子は既に130種類以上報告されているが、その中にもANの原因となる遺伝子が含まれている可能性がある。このため原因不明のAN症例で、まずこれまでに報告された全ての非症候群性難聴遺伝子を検討する意義があると考えて、近年開発された解析対象の遺伝子群の遺伝子翻訳領域を選択的に濃縮・回収する技術であるSure-select Target Enrichment Systemと、従来のシークエンス技術の100万倍以上の塩基配列を短時間で決定することができる次世代シークエンサー法を組み合わせて、既知のすべての非症候群性難聴遺伝子を一度に解析する方法を確立した。これらの技術を用いた解析により、新たなANの遺伝的原因を解明することが可能となった。その成果はANの病態解明、遺伝子検査によるサブタイプの鑑別診断、適正な治療・聴覚リハビリテーションの実施につながることが予測される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
通常のシークエンス法でOTOF遺伝子変異が同定されないAN症例に対して段階的に原因検索を進める準備が整った。既に解析対象となるAN症例の検体は14家系が保管されており、今後の解析により新たな原因が短期間で解明できる可能性がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
以上の解析で原因が判明しなかったAN症例に対しては、ヒト全遺伝子の解析(エキソーム解析)を進める。既に倫理審査の承認を受けており、他の対象において実施の経験も積んでいる。エキソーム解析では複数の原因候補遺伝子が同定される場合が予測され、その場合は機能解析が必要となる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を効率的に進めるために24年度は解析方法の確立に時間をかけた。検体を用いた実際の解析は25年度に行うこととしたため、当該助成金が生じた。25年度は検体の解析を実際に行うため、この助成金と25年度の予定研究費を使用する必要がある。
|
Research Products
(7 results)
-
[Journal Article] A prevalent founder mutation and genotype-phenotype correlations of OTOFin Japanese patients with auditory neuropathy.2012
Author(s)
Matsunaga T, Mutai H, Kunishima S, Namba K, Morimoto N, Shinjo Y, Arimoto y Kataoka Y, Shintani T, Morita N, Sugiuchi T, Masuda S, NakanoA, TaijiH, Kaga K
-
Journal Title
Clin Genet
Volume: 82
Pages: 425-432
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-