2012 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア視神経軸索流をバイオマーカーにした新しい緑内障診断法の創出
Project/Area Number |
24390395
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
稲谷 大 福井大学, 医学部, 教授 (40335245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高村 佳弘 福井大学, 医学部, 准教授 (00283193)
友松 威 福井大学, 医学部, 助教 (10401994)
谷原 秀信 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (60217148)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 緑内障 / 神経科学 / 軸索 |
Research Abstract |
緑内障視神経症の進行には個人差が大きく、高眼圧でも進行しない高眼圧症や正常眼圧でも進行する正常眼圧緑内障があり、その患者の進行を予測することは難しい。そこで、視神経の軸索障害を機能評価できれば、その患者の網膜神経節細胞が今まさにダメージを受けつつあるのかを判定できる。本研究は、ミトコンドリアの視神経軸索流をバイオマーカーとして、緑内障視神経症の進行を予知できるかを明らかにし、新たな緑内障診断技術を創出することを目的としている。 CFP蛍光標識されたミトコンドリアを有するマウスに2光子顕微鏡を用いて、網膜神経節細胞のミトコンドリア軸索輸送をタイムラプス法で動画撮影し、kymographで解析した。4ヶ月齢マウスの上強膜静脈をレーザー照射し眼圧を上昇させ、緑内障モデルとした。結果として、ミトコンドリア軸索輸送をin vivoで観察することができた。レーザーを用いて高眼圧にさせたマウスの3日目の眼底では、網膜神経節細胞の密度の有意な減少はなかったが、高眼圧後14日目では有意に細胞密度が減少した。しかし、レーザーで高眼圧にさせた3日目の時点で、正常眼圧のマウスと比べて、ミトコンドリア輸送数は、すでに有意に減少した。さらに軸索内のミトコンドリアの長さも、有意に短縮した。以上の結果より、高眼圧後に網膜神経節細胞が細胞死を起こす前に、ミトコンドリアの軸索輸送が変化することがしめされ、緑内障進行を予知するバイオマーカーになる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミトコンドリアの軸索輸送をライブイメージで観察し、それを定量評価することに成功している。さらに高眼圧マウスで軸索輸送障害を観察することにも成功しているため、当初の予定どおり進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
加齢に伴い、緑内障の有病率が増加することが知られている。したがって、マウスの週齢とともに、観察されるミトコンドリアの軸索輸送数が減少するかを、当初の計画通り推進していく。
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Research Products
(4 results)