2014 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における口唇随意運動機能評価法の構築とそれに影響する因子について
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24390440
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
増田 裕次 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (20190366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 紀之 日本大学, 歯学部, 准教授 (10155997)
小野 高裕 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30204241)
山口 正人 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (30410434)
山村 健介 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90272822)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 口唇機能評価 / 口唇閉鎖力 / Visualfeedback |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、申請者らが開発した口唇閉鎖力を方向別に測定できるシステムである多方位口唇閉鎖力測定装置を用いて、口唇随意運動調節機能の特性を明らかにしようとするものである。 平成26年度は、これまでに構築したVisual feedbackを利用したシステムを用いて、口唇閉鎖運動調節能力の年齢による相違を検討した。まず、最大努力で発揮される口唇閉鎖力の大きさは、健常成人と健常高齢者の間で、年齢による相違がないことが明らかとなった。さらに、口唇閉鎖力が発揮されてからの3秒間で、ターゲットとした値の±8%内に維持できた時間の割合を正確率として検討したところ、下方向に発揮する力のみで、健常高齢者の正確率が健常成人の性か悪率が有意に低いことがわかった。その他の方向に発揮する力では、年齢による相違は認められなかった。これらの結果から、随意的口唇閉鎖力の調節能力には年齢による著しい相違はないことが示唆された。ただし、下方向における相違は、重力に抗した力の発揮に年齢差がある可能性を示すと考えられる。 さらに、新潟大学に設置されている近赤外光脳機能イメージング装置を用いて、口唇随意運動と脳活動の関係を調べた。ランダムにVisual feedbackする方向が変化するように設定した課題では、一次運動野と前頭部において脳血流が変化することがわかった。更なる検討が必要であるが、Visual feedbackを必要とする口唇随意運動調節機能はそれを企図する前頭部と口唇随意運動を実行するための一次運動野の両者の機能が関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
口唇随意運動調節機能の年齢による特徴を明らかにしているが、被験者数の増加が望まれる。また、脳活動との関係を調べる研究のデータ数も不足しているために被験者数の増加が望まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に引き続き、これまでに構築したVisual feedbackを利用したシステムを用いて、①口唇随意運動調節機能を成人と高齢者で比較し、加齢に伴う変化を明らかにする。②口唇随意運動調節機能が前頭葉の活動に関与することを明らかにする。さらに、③口唇随意運動調節機能に対する義歯装着による影響を明らかにする。
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Causes of Carryover |
平成26年度において、成果発表のための国外出張を予定していたが、データ取得・解析がやや遅れたために、その機会を持つことができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度には、データ取得・解析のために分担研究者との打ち合わせや共同実験を増やす予定である。そのために、新潟大学への出張費(研究代表者1名×+3回分、研究協力者1名×3回分)に当てる予定である。
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