2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24390448
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
戸塚 靖則 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 名誉教授 (00109456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋田 京子 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 特任准教授 (40399952)
大賀 則孝 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (40548202)
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (20162802)
鄭 漢忠 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80180066)
大廣 洋一 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (40301915)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | がん幹細胞 / 腫瘍血管 / 腫瘍微小環境 |
Research Abstract |
がんの発症や進展にはその微小環境で産生される活性酸素が関与している。近年、がん組織には分化したがん細胞の他に未熟ながん幹細胞が存在することが明らかになってきた。がん幹細胞における薬剤抵抗性など悪性形質の獲得と未分化性の維持に活性酸素が関与している可能性があり、さらにがん幹細胞のニッチである腫瘍血管内皮細胞において活性酸素ががん幹細胞の生存や未分化性の維持にどのように貢献しているのかについても解明することが保険級の目的である。 COX-2はプロスタグランジンの合成酵素で、炎症局所や腫瘍内で高発現していることが知られている。口腔がん細胞を移植したヌードマウスにCOX-2選択的阻害剤NS398を投与したところ、腫瘍の成長が有意に抑制され、これは、腫瘍細胞に対するCOX-2阻害剤の直接的な抑制作用ではなく、腫瘍間質に存在する腫瘍血管新生が特異的に抑制されたことによるものであることを報告した。副甲状腺関連タンパクPTHrPは乳がんや前立腺癌の骨転移において重要な役割を果たすことが知られている。口腔がん細胞でもPTHrPが高発現していることを我々は見いだした。さらに実際の口腔がん患者でPTHrP陽性率と腫瘍の転移・再発に有意な相関があることも明らかにした。腫瘍間質に存在する線維芽細胞は腫瘍血管と同様に正常細胞とは異なった形質を発現していることが報告され、cancer-associated fibroblast(CAF)と称されている。口腔領域に発生する粘表皮がんで検索したところ、PTHrPを高発現する粘表皮がんの中間細胞集にCAFが多くみられ、さらに新生血管が豊富に存在し、PTHrP発現腫瘍細胞の悪性形質との関連が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
がんの微小環境における血管・線維芽細胞の異常性発現についての研究を推進し、原著論文3編を報告している。現在、活性酸素がこの機構にどのように関与しているかの詳細について検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進めている研究をさらに発展させ、臨床応用が可能となるように、北海道臨床開発機構との連携を深めている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度未使用額が発生した理由は、研究計画の中で当初行う予定だったものの一部を次年度に繰り越したためで、本年度に一括して使用する予定である。
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Research Products
(6 results)