2014 Fiscal Year Annual Research Report
Cdk6転写ファクトリーの網羅的解析による骨代謝機構の解明
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24390450
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20359623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筑田 博隆 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30345219)
緒方 直史 帝京大学, 医学部, 教授 (10361495)
阿部 雅修 東京大学, 保健・健康推進本部, 講師 (10392333)
藤原 夕子 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (50466744)
茂呂 徹 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (20302698)
安部 貴大 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20383250)
井口 隆人 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80587775)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, その他 (40282660)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨代謝 / 細胞周期 / ノックアウトマウス / クロマチン免疫沈降法 / 再生医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではCdk6転写ファクトリーを網羅的に解析して骨代謝制御メカニズムを解明するために、①骨系統細胞の分化過程でCdk6転写ファクトリーを構成する転写因子・転写共役因子群(以下、Cdk6結合転写因子群)を網羅的に探索し、②骨系統細胞のゲノム上においてCdk6結合転写因子群が結合する部位を網羅的に探索し、③Cdk6結合転写因子群の細胞レベル・生体レベルでの機能を検討し、④それらの結果を利用した新規骨再生治療法開発のための基礎的検討を行う。 今年度は昨年度に引き続き、Cdk6結合転写因子群の網羅的探索を目的に、マウス由来骨芽細胞様細胞MC3T3-E1細胞を分化誘導する系を用いて、骨芽細胞内でCdk6と結合する分子の同定を行った。その結果、通常培養時と分化刺激培養時との間でCdk6との結合が変化する複数の分子(転写因子、Cdk制御サブユニット等)を同定した。これらの分子については細胞内機能解析に進み、細胞分化を促進する組み合わせと逆に抑制する組み合わせがあることを突き止めた。 さらに、骨芽細胞分化過程におけるCdk6結合転写因子群のゲノム上での結合部位の同定を目的に通常培養時と分化刺激培養時の両条件下で、抗Cdk6抗体を用いたクロマチン免疫沈降シークエンスを行った。このシークエンスによって得られた塩基配列を参照配列へマッピングし、Cdk6結合転写因子群が結合する可能性が高いエンリッチ領域数について、通常培養時では約14000、分化刺激培養時では約8000の領域を検出した。現在これらの領域のうち、さらに詳細な解析を実施する候補領域の抽出作業を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
クロマチン免疫沈降シークエンスを実施するに当たり、複合体安定化条件検討に難航し、シークエンス可能なサンプルの作成に予想外の時間を必要としたため。
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Strategy for Future Research Activity |
難航していたクロマチン免疫沈降シークエンスは平成26年度に終了したため、今後はその結果をもとに転写ファクトリーの詳細を解析する。
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Causes of Carryover |
クロマチン免疫沈降シークエンスを行うための条件設定に予想外の予備実験が必要となり、当初予定よりも実験の進行が遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
難航していたクロマチン免疫沈降シークエンスが平成26年度末に完了したため、現在データを解析して、転写因子結合領域の絞込みを行っている。今後はその結果をもとに転写ファクトリーに関する詳細な解析を行う予定である。
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