2012 Fiscal Year Annual Research Report
助産師基礎教育における産婦ケア能力の獲得に関する研究
Project/Area Number |
24390483
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
遠藤 俊子 京都橘大学, 看護学部, 教授 (00232992)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 卒後産婦ケア能力 / 学生産婦ケア能力 / 助産師基礎教育 |
Research Abstract |
研究代表者による先行研究によると、学生の産婦ケア実践能力獲得には段階があり、基礎教育として育てる能力と、卒業後に臨床の場で獲得していく能力をふまえた教育方法の検討の必要性が考えられた。そこで、卒後分娩介助40例までの産婦ケア能力獲得状況を明らかにすることにより、卒後の産婦ケア実践能力獲得状況をふまえた、助産師基礎教育における効果的な産婦ケア能力獲得への示唆を得ることを目的とする。今後3年間で、(1)助産学生時代から卒後分娩介助40例(卒後10・20・30・40例目時点)までの経時的な産婦ケア能力獲得の実態を明らかにし、(2)卒後分娩介助40例(卒後10・20・30・40例目時点)までの産婦ケア能力をふまえた助産師基礎教育における産婦ケア能力獲得への示唆を得る。 平成24年度は、学生時代から卒後分娩介助40例までの産婦ケア能力獲得の縦断調査(調査B対象者)、及び卒後分娩介助40例までの産婦ケア能力の横断調査(調査C対象者)を実施した。平成24年9月に全国分娩取扱い病院(1,118病院)の看護管理者宛てに研究依頼書を送付し、卒後分娩介助40例までの研究協力回答は233病院(回収率20.8%)で、紹介のあった調査対象者867名に研究依頼書・調査票を配布した。 平成25年2月末日までの返信回答数延べ195名で、有効回答は188名であった。内訳は分娩介助10例62名、20例48名、30例34名、40例44名であった。調査B・C併せての横断的分析の一元配置の分散分析(Dunnett T3)の結果、卒後分娩介助10例と20例の得点に有意な差はほとんど認められなかったが、10例と30例ではほぼ全ての項目で30例目得点が有意に高かった。また、30例と40例では有意な差はほとんど認められなかった。さらに、平成22年度・平成23年度の研究代表者による先行研究結果の助産学生最終事例10例目の得点と比べ、卒後10例目の得点は有意に低かった。 本調査結果から、卒後分娩介助40例までの継時的な産婦ケア能力獲得の実態が明らかとなっている。さらに、量的なデータを増やす必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の約半年のデータ収集期間で、188名の回答を得ており、本研究目的である、卒後分娩介助40例までの産婦ケア能力獲得状況を明らかにすることはおおむね順調に進展している。しかし、平成24年度の1年間では、卒後分娩介助が10例から40例まで介助出来ない対象者がおり、平成25年度も引き続き、データ数を増やす必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
卒後の1年間では、分娩介助40例まで到達しない参加者が多かった。そのため、分析についての量を増やすため、平成25年度も引き続き卒後分娩介助40例まで継続した調査を実施すること、平成25年度も新たな参加者を募集しデータ数を増加し、より精度をあげる。縦断研究であるために、脱落率を低下する工夫として、研究参加者自身の産婦ケア能力に関するデータをフィードバックし、自己の能力向上を把握出来るとともに、参加者全体との比較による客観的な産婦ケア能力をリフレクション出来るようにする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
卒後の産婦ケア能力獲得状況を明らかにするために、調査票を送付する郵送料、調査票はポートフォリオをWeb上で管理したデータベースシステムを活用しているためのポートフォリオ年間費用(Manabafolio月額費用)、調査用紙印刷紙等に使用する。さらに、研究メンバーの分析会議交通費や、フォーカスグループインタビュー参加者の交通費、分析のための文献購入費や研究発表のための学会参加交通費にも使用する。
|
Research Products
(1 results)